「アフリカの近未来」を日本人が予測できる理由 公団住宅、家電、外食、ファッション、海外旅行

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1人当たりGDPが1万ドルを超えると新しい消費文化が生まれる(写真: andriikobryn/PIXTA)
アフリカが、かつて日本や中国、インドが歩んできた道を、加速度をつけて突き進んでいます。今回も、『超加速経済アフリカ』を上梓した、アジア・アフリカのスペシャリストの椿進氏が、教科書では学べない、テレビや新聞にも書かれていない、アフリカのいまについて解説する。

アフリカの多くの地域は日本の1970年代に近い

アフリカの今を、ファクトフルネスで理解していただくために、今回も、問題から始めたいと思います。

今回は少し趣向を変えて日本についての問題です。

問1 1人当たりGDPが1000ドルを超えたときに日本で起きたことは?
① 多摩ニュータウン開発
② 自動車普及率50%
③ 上水道普及率80%

問2 1人当たりGDPが3000ドルを超えたときに日本で起きたことは?
① 日本マクドナルド1号店オープン
② 中央自動車道全線開通
③ 海外旅行者100 万人

問3 1人当たりGDPが1万ドルを超えたときに日本で起きたことは?
① 東京ディズニーランド開業
② ダイエー戸塚店オープン(首都圏最大)
③ 新東京国際空港(成田)開港

*答えは、この記事の最後に掲載しています。

MMR(Maternal Mortality Ratio)というデータがあります。出生数10万人に対する年間の妊産婦死亡数です。ケニアのデータを見てみると、ほぼ100年前の日本と同じ水準です。

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2017年で世界平均は211人、ケニアが342人、OECDで14人、日本が2〜3人。日本は、MMRは世界的に最低水準です。しかし、日本も350人くらいの時代があったのです。それが約100年前です。

最大の要因は、妊婦さんが病院ではなく、自宅で出産するケースが多いことです。ここで出血多量などになってしまったら、間に合わない。もちろん、衛生環境、栄養状態の違いもあります。死因の半数は出産時における出血多量だと言われています。輸血が間に合わないのです。

血液バンクのような輸血の仕組みがない。そこで、「友達でA型の人を4人連れてきなさい」なんて言うと、1人がエイズで、2人がマラリア、なんてこともあるそうです。冗談ではなく、本当に農村部では、今でもある話です。そしてこれは、日本も乗り越えてきた道でもあります。

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