下腹太りに悩む人は座りすぎの悪影響を知らない 筋トレやマッサージより深部リンパケアを

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このリンパが渋滞するしくみも、食器洗いを例にするとわかりやすいかもしれません。汚れた食器を洗うと細かいゴミや油汚れが排水口に流れますが、流す水がチョロチョロ程度のゆるやかさだと、ゴミや汚れは溜まりがちに。すると排水口に水が流れにくくなります。同様に体内でリンパが滞ると「汚水化」したドロドロのリンパが溜まっていくのです。リンパの汚水化が皮膚のすぐ下で起きると肌にも影響します。その代表例がくすみや肌荒れです。

ではリンパマッサージをすればいいのかというと話は単純ではありません(写真:Ushico/PIXTA)

リンパマッサージの限界とは

体内でリンパが滞ると「汚水化」する。想像するのも嫌な感じですが、その汚水化したリンパは、どうなるのでしょうか。

正解は、むくみです。むくみは、よほど重度でないかぎり軽視されがちですが、むくみを漢字で書くと「浮腫」。「腫」という字が示すように、リンパが皮下組織に流れ出て、腫れ上がったような状態です。顔や脚などかなり広い範囲が腫れ上がるわけですから、体にいいわけがありません。

そして、あまり知られていませんが、じつは下腹をぽっこり出させる主犯格がむくみなのです。むくみと言えば顔やふくらはぎのイメージが強いと思います。しかし、いちばんむくむのは、上半身と下半身から流れつく汚水化リンパを一手に引き受ける下腹です。次にむくみやすいのがお尻で、悩ましいたるみの半分はむくみでできています。

下腹やお尻がむくみやすいいちばんの理由は、臓器がすぐそばにあるからです。

臓器で、消化や解毒などをするときに汚水化したリンパが大量に発生し、それが鼠蹊部(脚の付け根)のリンパ節で詰まってあふれ、むくむのです。この汚水化したリンパでむくむのがぽっこり下腹の第1段階で、その上に脂肪がつくのが第2段階と考えてください。

まずぽっこり下腹の第1段階がどう起きるのかについて、ご説明しましょう。

むくむということは、まず血流やリンパの流れが妨げられた部位が生じています。なかでも下腹にむくみを呼ぶ最大の要因は、座る時間の長さです。

座るということは、股関節もひざ関節も折り曲げているということ。通常はまっすぐになっている部分が長時間曲がっていれば、血液の流れは悪くなりますし、それに伴いリンパの流れも悪くなります。しかも座っているときは太もも裏側が上半身の重みで潰されるため、下半身のめぐりの悪化に拍車をかけるのです。

次ページリンパのめぐりが悪化するとむくみを呼ぶ
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