下腹太りに悩む人は座りすぎの悪影響を知らない 筋トレやマッサージより深部リンパケアを

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リンパのめぐりがいいと酸素や栄養素、免疫細胞が体のすみずみまで行き渡るため、体のどの部分でも回復力や免疫力が高まります。しかもリンパは、配達するだけでなく体内に生じたゴミ、いわゆる老廃物まで持ち去ってくれるのです。

もしリンパの流れが悪くなると、酸素も栄養素も不足して老廃物が回収されなくなります。これは食料も水もないゴミだらけの部屋に閉じ込められたようなもの。細胞はどんどん元気を失っていきますし、治るものも治りません。この状態から脱する唯一の方法が、体の奥深くを流れるリンパのケアなのです。

リンパは血液の3倍もの量がある

じつは私たちの体内から老廃物を出す方法は、体液に溶かす以外ありません。その働きの最大の担い手がリンパです。

リンパは血液の3倍もの量があります。極小の細胞1つひとつに、必要とするものを届けてゴミ(老廃物)を回収する「流通網」をつくるには、量も必要なのです。リンパがなければ細胞は死滅しますし、もちろん人は生きていられません。

そしてリンパの成分は大きく変化します。体内にウイルスや細菌などが侵入すると免疫細胞が大量に供給されますし、体内に生じたゴミを回収するとリンパはドロドロに。二酸化炭素などごく小さなゴミをメインに回収する血液と違い、リンパはたんぱく質や脂肪、細菌やウイルス、傷ついた細胞などといった大きなゴミを大量に回収しています。だから、つねにサラサラではいられないわけです。このリンパのゴミ回収能力は、最大で血液の20倍にまで達します。

では、なぜリンパは滞るのでしょうか。

まずお伝えしておきたいのが、リンパが全身をめぐるのに12~24時間もかかることです。血液は1分ほどで全身を1周するため、リンパはその1000倍もの時間をかけてめぐっているということになります。これほどの差がつく最大の理由は、心臓という強力なポンプに送り出された血液の圧力がリンパには届かないから。キッチンで食器を洗う水をシャワーにすると、極細の水の通り道が無数にあることで水圧は弱まりますが、リンパも同様に通り道1つひとつにかかる水圧が弱まるわけです。

次ページ食器洗いを例にして考えてみましょう
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