英会話は「習う」と「慣れ」の両方必要 日本の英語教育を変えるキーパーソン 加藤智久(2)

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レアジョブという、rareな社名の由来

安河内:フィリピン、日本の双方に貢献できるという思いが原動力だったんですね。レアジョブという名前の由来は?

加藤:サービスを立ち上げる前からドメインを持っていたこともあるのですが、フィリピン側から見たとき、講師陣にマニラの職場に通勤して働いてくださいというのではなく、自宅で教えてもらうようにした。だから、 ネット回線さえあれば、田舎の島にいたとしても、個人の持っている能力と努力だけが評価される仕組みが築けた。そういった機会を提供しているというのがまずひとつ。

安河内:文字どおりrareなjobなんですね。

加藤:はい。そしてもうひとつは日本側からです。僕たちが提供する英会話サービスは英語を話せる機会だけじゃなくて、英語がうまくなって日本人が世界に活躍するという可能性がその先にあると思うのです。世界で活躍するという視点で見たときに、それがrareなjobにつながっていくのではないかという思いですね。教育は仕事とも関連していると強く信じていますし、ネットがあるとその距離がもっと短くなる。そんな意味も込めた社名です。

日本人は点数を可視化しないと成果を実感しない

安河内:よくわかりました。では、今度はレアジョブの英会話に関するビジョンについてお話していただけますか?  日本人の会話能力を具体的にどういう形で深めようとしてきたのか、そして今後はどうしていきたいのかを教えてください。

加藤:レアジョブ英会話としては、自動車学校に来たら免許が取得できて運転できるようになるのと同じように、レアジョブ英会話に来れば英語が話せるようになって当たり前というプラットフォームを提供したい。具体的に今、やっているのは、「習うより慣れろ」の「慣れ」の部分ですが、今後はさらに一歩踏み込んで、「習う」という部分にもフォーカスしていきたいと考えています。

「慣れ」と「習う」の両方をカバーできれば、レアジョブ英会話でレッスンを受ければ、たとえ英語の初級者であっても、過不足なく話すという域にまで到達することができると思っています。

安河内:先ほど広報の方から、レアジョブ英会話には独自のスピーキングテストがあるという話を聞いてうれしくなったんですよ。日本人は点数によって可視化しないと、学習の成果をなかなか実感しない。だから英会話を始めた当初はやる気があっても、成果がどれほど出たかがわからずにやめてしまうケースが多い。

そういった意味では私は、とにかく適正なレベルのスピーキングテストを作って、それを普及されることによって英会話業界を牽引していかなければと考えています。レアジョブ英会話のスピーキングテストはどんなものなのか、そしてなぜ作ったのか聞かせてもらえますか?

加藤:弊社のスピーキングテストは、現在、増えてきている法人顧客向けのものです。レアジョブ英会話を法人導入する際に中心となる人事の方々からは、「成果を可視化したい」という声が多く上がっていた。

そこで、CEFAR(セファール/Common European Framework of Reference for Languageの略称。語学のコミュニケーションの能力別レベルを示す国際標準規格)の基準に準拠しながら、自分たちのオリジナルのテストをいくつか作ったというわけなのです。「このテストで○点取れたら、あなたのスピーキング力はこのレベルですよ」という目安を示すのがひとつ。それから、点数によってできること、できないことを明らかにした後に、「レアジョブ英会話をこんなふうに使って学習していくといいですよ」という指標として使ってもらうという側面もあります。

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