前田敦子「悩みも迷いもあるけど柔軟でいたい」 野田秀樹の舞台「フェイクスピア」に出演へ

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――子どもなりに仕事場の緊張感みたいなのは感じて、お母さんが真剣勝負していることはわかったんですね。

「そうかもしれないです。それ以来、「お仕事してくるね」と言うとなんか伝わるんですよ。この間も、ムービーとスチールを一緒に撮影する日があって、ムービー撮影の時は、声を出すと録音されてしまうので、「ママは、今からこのスタジオの中でおしゃべりするお仕事だから、声出しちゃダメなんだよ。どうする? 中に入る? 入らない?」と聞いたら、「ううん」と言って、スタッフさんと外に遊びに行ってくれたんです。

それまではグズグズしていたんですけど、決意してくれたみたいで。1回、戻って来て、スタジオの様子を見に来た時も、ちっちゃい声で「ママ」と呼んでいたらしいんです。スタッフさんに「しゃべっちゃダメなんだよ」「声出したらダメだよ」と言われたら、「うんうん」とわかったように返事して「ママ」(小声)って。ふふ、かわいいですよね(笑)。

前田敦子(Atsuko Maeda)/1991年7月10日、千葉県生まれ。2005年オーディションに合格しAKB 48 のメンバーとしてデビュー、12年卒業。07年、映画『あしたの私のつくり方』で俳優デビュー。映画、テレビドラマで活躍する。近作に映画『バイプレイヤーズ〜、もしも100人の名脇役が映画を作ったら〜』『劇場版 奥様は、取り扱い注意』『葬式の名人』『旅のおわり世界のはじまり』などがある。初舞台は14年。蜷川幸雄演出『太陽2068』。15年、岩松了演出『青い瞳』、朗読劇『LOVE LETTER』、18年、三浦大輔演出『そして僕は途方に暮れる』に出演する。映画『くれなずめ』が公開中。(撮影:今井康一、スタイリスト:清水けい子(アレンジメント K)、ヘアメイク/菊地弥生(ひつじ))

毎日、ちゃんと言葉にして言うようにしている

――前田さんが相手にきちんと伝えることをすごく考えて声を発している話をされましたが、子どもにもきちんと伝わっているようですね。

毎日、ちゃんと言葉にして言うようにしています。「今こういう状況だからね、ちょっとだけ時間ちょうだい」とか「これ、仕事のメール1個返したらね。ちょっと待ってて。いい?」とか。そのうち先回りして「ママ、また仕事でしょ?」と言われそうです。気を利かせてくれるというよりも、「あ、はいはい、ママはまた仕事ね」とあしらうようになるんじゃないかな(笑)。

――今、働きすぎている感じがありますもんね。

そうですね。撮影があって、演劇の稽古があって、家でも何かしら仕事をやっています。

――さて、今度、出演されるNODA・MAP新作舞台『フェイクスピア』ですが、出演のきっかけはなんだったのでしょうか。

野田秀樹さんのワークショップに参加しました。演劇界では野田さんのワークショップは有名で、私も一度は参加してみたいと思っていたところ、声をかけていただき、これを逃す手はないと思いました。それを経て今回の出演のオファーをいただきました。

――どんなお話で、どんな役を演じるのでしょうか。

秘密です(笑)。

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