リフォーム業者の見積りに潜む「詐欺罪」のリスク 保険金請求で自分が詐欺罪に問われる恐れ

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これら一連の交渉を実際に体験してみた中では、火災保険金詐欺に引っかかったり加担することは無かったと信じています。ただ、巻き込まれるリスクは十分ありえると感じました。

というのは、屋根の上のことは自分の目では確認できない(業者や損害保険鑑定人の人から見せてもらった写真で確認するしかない)うえに、その被害に対する修理費の見積りが適切な額なのかも、正直なところ、判断がつかなかったためです。

けれども、自分ではよくわかっていない部分に対して、保険金請求の際には契約者としての責任は付きまといます。保険金詐欺を疑われるような事態を避けるために、少なくとも修理の妥当性について合見積もりを取るなどの工夫が重要と感じました。

契約者自身には判断できない部分も多い

また、担当の代理店に連絡した際に、懇意の業者にするか保険会社が紹介する業者にするかを聞かれたわけですが、わが家の場合は、せっかくなので屋根の穴に気づいてくれた業者に依頼する方針を伝えました。しかし、もしも保険金詐欺の疑いをかけられる可能性を排除したいのであれば、保険会社が紹介する修理業者にすると回答するのも一策だったかもしれません。

リフォームは一生にそう何度もないことで、そのうえ、契約者自身には判断できない部分も多いですが、契約者自身が保険金詐欺を疑われるケースが発生している現状を認識し、余計なリスクは背負わないようにすることも大切ですね。

ここ数年、大きな自然災害が続いていますので、参考にしていただけたらと存じます。

竹下 さくら ファイナンシャルプランナー/宅地建物取引士

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たけした さくら / Sakura Takeshita

兵庫県神戸市生まれ。慶應義塾大学商学部にて保険学を専攻。損害保険会社の営業推進部および火災新種業務部、生命保険会社の引受診査部門の勤務を経てファイナンシャルプランナーとして独立。個人向けコンサルティングを主軸に講演・執筆を行う。『「奨学金」を借りる前にゼッタイ読んでおく本』(青春出版社)、『「家を買おうかな」と思ったときにまず読む本』(日本経済新聞出版社)など著書も多数。

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