家の勝ち組「10年やどかり族」という生き方 「持ち家」か「賃貸か」を悩むのは、もう古い?
不動産価格は東京都心を中心に高値を維持しています。共働き世帯などは「下がらないマンションなら買い」と思いつつ、「持ち家」か「賃貸か」で迷っている人たちも少なくないでしょう。昔から「賃貸 vs 持ち家」の比較はいろいろなところでされていますが、結論から言うと費用面では大差はありません。ならば飽き性な方は賃貸にすればいいし、好きな地域にずっと住みたい方は持ち家にすればいいはずです。
しかし今は「賃貸で転々とする」「一度家を買ったら定住する」という2つの考え方に加え、どちらでもない「第3の家選び」という選択肢がある。教えてくれるのは、前回の「専業主婦だって仕事をするべき『3つの理由』」でも登場したファイナンシャルプランナーの川畑明美さん。川畑さんは自分でも「第3の家選び」を実践していると言います。早速、川畑さんに聞いていきましょう。
住居後10年メドに持ち家を売却して住み替える
鈴木:川畑さんの「第3の家選び」の方法とは、どんなものですか。
川畑:私は自分の家選びを「やどかり式」と呼んでいます。ひと言でいうと、買った価格よりも価値が下がらない家を買い、10年ほど暮らしたら、購入価格よりも高く売却することを繰り返していく方法です。「やどかりが成長のたびに新しい貝殻を背負う」イメージです。つまり、転居のたびに資産を増やしていく「やどかり族」と言っていいでしょう。
私たち夫婦が最初に購入したのは、東京都港区芝にある3LDKの新築マンションです。2001年に契約をして、完成し住み始めたのは2003年です。後から考えればこの年は当時株価がバブル後の最安値を付けた年でもあり、住宅価格は落ち込んだままの時期でもありました。買ったマンションの価格は5980万円とまさに破格でした。
そして、2014年にそのマンションを売却しました。築11年ほどでしたが、幸い購入価格よりも120万円も高く売却できたのです。しかも、隣に私たちのマンションよりも高いビルが再建築される、という悪条件にもかかわらずです。
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