家の勝ち組「10年やどかり族」という生き方 「持ち家」か「賃貸か」を悩むのは、もう古い?

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川畑:従来より難しくなっているかもしれませんが、今買っても「やどかり式」が成立する方法が1つだけあります。それは、新駅や再開発エリアの物件を買うことです。実際、私自身がそうしています。今なら、東京都心ではJR山手線の田町と品川の間にできる新駅あたりが狙い目でしょう。

新駅は開設後10年くらいが価格のピークになると読んでいます。よく東京オリンピックが終わったら、物件価格が下落するという人がいます。しかし、こうした人口の流入やにぎわいが増していくことが予想される都心で、価値が落ちないところであれば下がるどころか、維持、もしくは上がっていく可能性のほうが高いのです。再開発などの都市開発については、行政のホームページで確認できます。

鈴木:なるほど。今高騰している物件も、すべては立地次第ということになるんですね。購入してから気をつけることはありますか。

川畑:1つポイントを上げるとすれば、当然ですがキレイに住むことです。私の場合、自宅を売却する際に不動産会社が出してきた査定額は、購入価格よりも安い価格でした。でも、それよりも高く売れた大きな理由は、部屋や設備の状態がよかったからです。

エアコンのクリーニングはもちろん、換気扇の掃除も毎週やっていました。実際に売却するときは内覧会に来られる方がいらっしゃいます。一部はリフォームの必要もあるかもしれません。とにかく買い主さんに価値を感じてもらえなければ、高く売れないのです。

あと意外に重要なのは、カーテンです。売却時に外すにしても、内覧会ではカーテンはつけておくものなので、いいカーテンをつけておくだけで部屋のグレードが上がります。これだけで何百万円も価格が変わるんですから、キレイ好きは得をします。

うまく住み替えられれば、老人ホーム代も心配無用

川畑:さらに今家を探している方、すでに持っている方もぜひ知っていただきたいのですが、今の時代はマイホームで老後を迎えることが少なくなってきました。「やどかり式」を勧めるもう1つの理由は、高齢化社会があります。ご夫婦2人で元気なうちは「マイホームで老後」もいいんですが、ご主人の介護から、奥様の1人暮らしの期間が約10年あると言われています。

そのとき、認知症の兆候があるとか、お子さんたちが近所にいないなどで、マイホームを処分して施設に入らなきゃいけなくなったら売却するのが難しくなるなど、結構なストレスがかかるのです。だから、ある程度元気なうちに、介護付きの有料老人ホームや高齢者向けの住宅に住み替えることも検討してほしいと思っています。10年ごとに自分にあった家に住み変えていけば、家族に迷惑かけることなく幸せな人生を送れるのではないでしょうか。

鈴木:最後は老人ホームに入ることも検討する。確かに、高齢者の1人暮らしって家族が心配ですもんね。これからそうした家庭は増えそうですね。そのためにも「やどかり式」でお得に住んでいけば施設の入居費用にもなるかもしれません。

今回教えてもらった方法がすべての人にあてはまるとは言えないかもしれません。地元での住み替えなどもあるわけですから、お一人おひとりのニーズに応じて、まずは近所、あるいは気になる立地のいいエリアの家賃と中古物件の相場を調べてみるところから始めるのがいいですね。

鈴木 雅博 UKANO 家計のクリニック院長

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すずき まさひろ / Masahiro Suzuki

義父の介護問題をきっかけにお金の学びを始める。現代は国も会社もあてにはできない時代であり、自分のことは自分でなんとかしなくちゃいけない時代だと痛感する。投資家、トレーダー、ファイナンシャルプランナー、起業家、などさまざまな”経済的な成功者”にインタビューを行い、普通の人が経済的に安心できるよう情報を配信。支出を減らす方法と収入を増やす方法を情報配信し、家計の管理をしているお母さんお父さんに賢いお金の使い方を提案している。公式サイト https://ukano.me/

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