家の勝ち組「10年やどかり族」という生き方 「持ち家」か「賃貸か」を悩むのは、もう古い?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

鈴木:11年も住んで120万高く売れたのは、経済情勢に加え、やはり立地がよかったからですか。

川畑:立地は「やどかり式」を選ぶうえで、とても大切です。しかし、もっと大切なことがあります。それは「家を買ったら一生住み続けなければいけない」という考え方を改めることです。その意味で「やどかり式」はいろいろな視点から考えても、とても合理的な方法だと思います。

なぜかというと、今、日本の平均寿命は女性で88歳、男性で85歳くらいですよね。この年齢は毎年上がっていて長期的には100歳に近づくと思います。もし30代で家を買ったとしたら、65年もその家に住みますか? 新婚さんだって、家を買って、子どもができるとします。でも将来的には子どもが出ていく確率のほうが高いですよね。そうなると、買った家は広すぎるわけです。このようにライフプランも変わるし、家にも寿命がありますから。だから、まずは「一生住み続ける」という考えを外してほしいと思います。

自宅を「負債」から「資産」に変えるには?

普通の家庭のライフスタイルは、だいたい10年スパンで変化していきます。新婚時は2人暮らし。子どもができたとしても、1人であれば10歳くらいまでは2人暮らしの家でも十分暮らせます。でも、10歳を過ぎたあたりから子どもの荷物がぐっと増えてきますよね。そこで、3LDKあたりを検討します。そして、20歳ごろに家を出ていく子どももいると思います。ですので、10年というタイミングで家の広さを適切に変えていくほうがいいと思いませんか。

鈴木:確かに、いちばんはじめに買った家に住み続けるって、サイズの合わない洋服を着続けるようなものですね。

川畑:そうなんです。でも、条件のいい家を購入できれば、いい条件で簡単に売却できるので、タダで住めるようなものです。だから、立地にはとことんこだわりましょう。「こんなに立地のいい場所なんて縁がないわ。私たちには到底無理」と思っている方は、あえてこだわってみてください。10年で住み替えをしていくには、売れる家を買わないといけません。売れる家とは立地のいい人気エリアです。

ネットも含めいろいろお聞きすると、自宅は負債と考えている人が多いようですね。確かに一生住むことを前提に考えると負債になります。しかし、やどかりのように住み替えていけば資産にもなります。

私の過去もそうです。実家を出て、学生寮に入り、就職してからはお給料がアップしたら、家を住み替えてきました。住み替えというと、ほとんどの人が賃貸住宅の住み替えのことだと、とらえていて実際、賃貸を転々としている人が多いと思います。そこで、「持ち家の住み替え」でもいいのではと考え、実行してきたのです。

次ページ下がりにくい物件はどうやって見つけるのか
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事