腰痛気にする人ほど「痛みを感じやすい」悪循環 腰痛をうまく付き合っていくためのメンタル術

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腰痛があるとついその痛みに集中しまいませんか?それが痛みを際立たせている可能性があります(写真:kokouu/iStock)
日本の国民病とも言われる「腰痛」。が、一口の腰痛と言ってもその理由は実にさまざまで、素人判断や間違った判断が命にかかわることもあり、痛みの原因をきちんと突き止めることが重要だ。本稿では、池谷医院院長の池谷敏郎氏著『腰痛難民 その痛みは、本当にただの腰痛なのか』から、「痛い」ということに集中すると痛みが増すような気がする脳と腰痛の関係性について紹介します。

腰は意識すると痛くなる

ところで、今、腰の痛みはどうですか?腰に意識を集中していると、さっきまでは痛みを感じていなかった人も、じんわりと痛いような気がしてきませんか。もともと腰痛を感じていた人は、さらに痛みが強まったような気がしないでしょうか。

脳というのは不思議なもので、「痛い、痛い」と思って痛みに集中すればするほど、より痛みを感じやすくなります。それなのに、腰痛が長引いている人は、腰痛が最重要事項になってしまって、朝起きたら真っ先に「腰痛は大丈夫かな?」と考えるような生活になりがちです。

卵が先か、鶏が先かという話で、腰が痛いから腰のことを気にしてしまうのだと思いますが、気にするから痛くなる、気にするから痛みが強くなるという面もあるのです。このことは、外来で患者さんにもよく伝えています。その時に、私がよく患者さんに尋ねる質問があります。

「耳鳴りを気にしたことがありますか?」というものです。そうすると、ほとんどの患者さんは「耳鳴りはあんまり気にしない」とおっしゃいます。

「今日家に帰ったら、耳鳴りがしないか聞いてみてください。シーンとした部屋で耳鳴りに集中してみたら、きっとピーッと音がしていますから。でも、あなたは今まで1回も耳鳴りで悩んだことがないのでしょう? それは、あなたが耳鳴りを聞こうとしていないから。いつも聞こえているのに、聞いていないから気にならないんです。腰痛も、楽しいことや面白いことをしている間は、そんなに気にならないんじゃないですか?」

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