腰痛気にする人ほど「痛みを感じやすい」悪循環 腰痛をうまく付き合っていくためのメンタル術
腰は意識すると痛くなる
ところで、今、腰の痛みはどうですか?腰に意識を集中していると、さっきまでは痛みを感じていなかった人も、じんわりと痛いような気がしてきませんか。もともと腰痛を感じていた人は、さらに痛みが強まったような気がしないでしょうか。
脳というのは不思議なもので、「痛い、痛い」と思って痛みに集中すればするほど、より痛みを感じやすくなります。それなのに、腰痛が長引いている人は、腰痛が最重要事項になってしまって、朝起きたら真っ先に「腰痛は大丈夫かな?」と考えるような生活になりがちです。
卵が先か、鶏が先かという話で、腰が痛いから腰のことを気にしてしまうのだと思いますが、気にするから痛くなる、気にするから痛みが強くなるという面もあるのです。このことは、外来で患者さんにもよく伝えています。その時に、私がよく患者さんに尋ねる質問があります。
「耳鳴りを気にしたことがありますか?」というものです。そうすると、ほとんどの患者さんは「耳鳴りはあんまり気にしない」とおっしゃいます。
「今日家に帰ったら、耳鳴りがしないか聞いてみてください。シーンとした部屋で耳鳴りに集中してみたら、きっとピーッと音がしていますから。でも、あなたは今まで1回も耳鳴りで悩んだことがないのでしょう? それは、あなたが耳鳴りを聞こうとしていないから。いつも聞こえているのに、聞いていないから気にならないんです。腰痛も、楽しいことや面白いことをしている間は、そんなに気にならないんじゃないですか?」
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