50歳手前で「早期退職」に踏み切れた3つの理由 人生後半もうひと仕事できる人の思考・行動法

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もちろん希少性が高くてもニーズがないジャンルのスキルや知識であれば、なかなかそれで仕事を得ることは難しいかもしれません。しかし、幸いにも、通信やスタートアップに関する知識は今もニーズがあるものとして活用できますし、広告やマーケティングに関しては、実務に関わっていた頃とは大きく様変わりしたものの、基本的な部分は今でも通用するところがあって、これも自分にとっては大切な財産になっています。

会社員を続けていく中で、こうした専門性をもった人材になるか、あるいはジェネラリストとなるかについては、自分自身も大変迷った時期がありましたが、結果的には専門性を重視した選択を行ってきたことが、早期退職に踏み切れた理由の1つです。

SNSのつながりが大きな財産に

もう1つ、振り返って自分が早期退職に踏み切れたと思う理由に、 SNS で人とつながりを作れていたことがあります。2008年に日本で初めて発売された iPhone を発売日に行列して購入し、そのiPhone を使ってまだサービス開始から日が浅かった Twitter を始めました。

今では Twitterもかなり様変わりしましたが、その頃はまだ有名人や報道機関などは使っておらず、ユーザーは新しいものへの感度が高い個人が中心でした。Twitterでやりとりをするようになったユーザー同士が実際に顔を合わせることも多かったため、私も多くの人たちと知り合うことになりました。

当時はまったく意識していませんでしたが、今考えると、この当時の人のつながりが早期退職にあたって大きな支えになりました。早期退職に応募したものの、まだ正式な内定がある前に、内々にその話をTwitterがきっかけで知り合った友人にしたところ、早速早期退職後の仕事のオファーをもらったり、独立するにあたってのアドバイスをもらったりしたのです。今でもそうした関係は、多くの人と続いています。

社外での人間関係を作ることは、自分はさほど特別なことと思ってはいなかったのですが、一般的にはそうでもないようです。特に昇進・昇格を目指す場合は、社内の人間関係の方が重要であるために、こうした社外の人間関係を作る時間が相対的に取りにくいせいかもしれません。

独立してからも通用するためには社内の人間関係だけでは十分ではありません。これも結果論ではありますが、スマホの普及とともに SNS で人とのつながりを作れたことも、自分にとっては早期退職を決断する上で大きなプラスになりました。

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