こういう暴言こそ、思春期の子を持つ親の最大の注意点です。「失言は放ちたる矢の如し」という言葉もありますので、切れそうになったら大きく深呼吸して踏みとどまってください。
無駄に切れることを避けるために、こちらの過去記事もご参考にしてください。
(6)思春期の子とも、たまには会話が成立することがあると思います。子どもが何かトラブルや不満を抱えていて悩みや愚痴を聞いてほしいときなど、意外と話しかけてきたりすることもあります。先生に叱られたとか友達とうまくいかないときなどです。こういうときの聞き方として大事なのは、とにかく共感的に聞くことです。
たとえば、子どもが「私は悪くないのに先生に怒られた」と言ったとき、「先生の話を聞いてなかったからでしょ」とか「いつも態度が悪いからそうなるんだよ」などと跳ね返すのはよくありません。こういう正論を押し付けていると、子どもはますます何も言わなくなってしまいます。
まずは、「そうなの?それは嫌だよね」と共感してあげてください。そうすれば、子どもは話しやすくなります。愚痴を共感的にたっぷり聞いてもらえるとすっきりしますし、「親は自分がどんなに大変かわかってくれる」と感じて、信頼感が大いに高まります。子どもにとって信頼できる大人とは、自分のことをわかってくれる人なのです。
親がよくやる間違いは、子どもの話を聞いたとき、すぐに励ましやアドバイスをすることです。「だいじょうぶだよ。すぐ仲直りできるよ」とか「そんなの大したことじゃないよ。元気出して」などが励ましで、「じゃあ、○○すればいいじゃん」「なんで○○しないの?」などがアドバイスです。
親は子どものためを思って言っているのですが、共感がないところですぐに励まされたりアドバイスされたりすると、言われたほうは「なんで私の話を聞いてくれないの?そんなに簡単なことじゃないよ。私がどんなに大変か、この人にはわからないな。お説教されるだけだからもう言わないようにしよう」と思ってしまいます。
これは、親も先生もついやってしまうので気をつけてください。もちろん、励ましやアドバイスをしたほうが良い場合もありますが、それはたっぷり共感的に聞いた後にしてほしいと思います。
家庭を居心地のいい安全基地にしよう
以上のことに気をつけていれば、思春期・反抗期の子も親の愛情を実感できるようになり、家庭が居心地のよい安全基地になります。
親の愛情を実感できている子は自分で自分を大切にするようになります。たとえ悪い誘惑があったときも、「大切にしてくれる親に心配かけたくない」という意識が働いてブレーキがかかります。それがないと、ブレーキがかからないまま、まずい方向に向かってしまう可能性が高まります。
家庭が居心地がよければ、子どもは外でどんなことがあっても、安全基地であるわが家に帰ってきて難を逃れます。わが家が居心地が悪いと、家に帰ってこなくなり、糸の切れた凧のようになってしまう可能性があります。
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