「起業志望の若者は甘い」と語る22歳起業家の真意 理想実現のためには「ダークな部分」を直視せよ
僕は17歳で初めて起業しましたが、いまは12歳、13歳で起業したいというさらに若い世代も増えていて、メンターとして話をよく聞いています。みんな、父親が起業家だったり、家系に起業家が多かったり、環境的にも経済的にも恵まれている人が増えている印象です。
そこから登場した若い起業家は、その立場であるからこそ、「次世代にどう貢献するのか」「何を世の中に還元できるか」という動機が発端になっています。すると、社会的にもクリーンなところを走っていけるわけです。
実は僕は、中学生や高校生など、若い起業家志望者にこそ、この本を読むようにと薦めています。
ビジネスシーンにおいては、クリーンなだけではやっていけない、目を背けられないリアルな部分があります。ところが、いまの若い世代には、起業に対するある種の憧れや羨望の眼差しだけがあります。
自分が描いている理想の未来像や、社会に対する疑問や課題を、そのまま表明しながら生きていけるという感覚があるようで、見なければならない現実に蓋をしていることが目立ちます。そこには、江副さんのようないかがわしさや、あやしさはありません。
当然ながら、ビジョンだけ、理想だけ、ミッションだけを声高に語っていても事業にはなりません。起業家になると宣言する以上は、資本主義というゲームの中で戦い、しっかりと地に足をつけて、経済的なリターンを出さなければなりません。
それを直視しているか、経営者とはなんたるかを徹底的に問うているか。いまの若者にはそこが欠けています。江副さんは、資本主義というものに、真正面から、ロジカルかつリアリズムで向き合い続けた経営者でもありますから、ぜひ参考にしてほしいです。
人生100年時代のリーダーの役目とは
弊社は、僕が定義した「人生の主人公を増やす。」というビジョンを掲げて、日本に相談のインフラを築くという事業を展開しています。
誰もが自分に合ったタイミングで専門家に相談することができ、キャリアのこと、メンタルのこと、なんでも話せるというものです。経済が衰退しはじめ、人生100年時代となるこれから、必要になるインフラだと考えています。
けれども、会社のサービスとしてインフラを作ったあとの展望については、あえて僕自身が定義しないほうがいいのではないかと考えているんです。それよりも、会社のみんなに対して、いかに良質な「問い」を投げかけるか、それだけがリーダーの役目ではないのかと。
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