地域主権改革の内実、国の責任の希薄化が社会保障を脅かす

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 改革の第1弾に当たる今回の法案では、国が定める障害者施設の防火・防災基準が、自治体にとって順守義務のない「参酌基準」に格下げされた事実が判明。

さらに今年度中に予定されている2次法案では、障害者基本法やバリアフリー法、障害者雇用促進法なども見直しが予定されていることがわかった。そして検討されている改正内容を聞いて、西村氏はさらに驚いた。

昨年10月の第3次勧告で示された案では、バリアフリー法について、こう書かれていた。「住民や施設の利用者である高齢者、障害者など利害関係者の意見の反映については、従来、国の基準として講ずべき措置だったが、廃止または意見聴取の努力義務・配慮義務化が望ましい」。

また障害者雇用促進法に関しても、「障害者の採用に関する計画の策定については、これまで策定が義務づけられていたものを廃止または『できる』規定化、努力義務化、規定の例示化、または目的程度の内容への大枠化を講じるべき」とされた。

つまり、障害者政策に関する国の責任を後退させる内容を含んでおり、当事者の知らぬ間に法案化の準備が進められていたのである。

保育関係者が受けた衝撃も大きかった。

第3次勧告は保育園の面積基準や職員配置基準を定めた全国一律の児童福祉施設最低基準を廃止し、「国は(順守義務のない)標準や参酌基準を示すにとどめるべき」とした。「自治体が条例により自由に基準を定めることで、創意工夫を生かした保育園の運営が可能になる」というのが、委員会の主張だった。

が、基準を自治体に委ねた場合、狭い保育園にさらに多くの子どもが詰めこまれることによって、保育の質が低下する懸念が持たれていた。

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