30代手取り年収500万の人が40代で楽する方法 早めに「好きなこと」ができるようになるには?

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一方、筆者がこれまで一般的なサラリーマンに対して勧めて来た貯蓄・投資とリタイアのバランスは、「手取り収入の20%くらいを投資に回し、65歳でリタイアすると、年金と資産の取崩額とを合わせて現役時代の7割くらいの生活費で老後を暮らすことが可能だろう」という程度の、上記の方法に比べると、大いに「緩い」ものだった。なお、計算の考え方は、拙著(山崎元・岩城みずほ著『人生にお金はいくら必要か』(東洋経済新報社))を参照されたい。必要貯蓄額の計算は簡単にできる。

運用に回すのが20%でいいかどうかは、設定(いつまで働くか、老後に現役時代の何%で暮らすか、いつまで生きそうか、等)で異なるが、おおむね20%くらいの数字が出ることが多い。手取り収入が500万円なら、年間400万円で暮らして、100万円を投資に振り向けることになる。資産の運用方法は、基本的に同じで構わない。

年間支出の差をどう考えるか?

2つのケースを比較すると、約18年にわって続く、片や400万円、もう一方は250万円という両者の年間支出額150万円の違いの影響をどう見るかが最大の問題だろう。

評価は人それぞれだと思うが、筆者は、「支出が150万円少ない若い時期の18年間」をいささかもったいないと思う。広義の「自己投資」で実際に投資するものの多くは、個人が持っている「時間」と「努力」なのだろうが、教育や経験を得るためには「お金」も必要だ。

そして「教育」にしても、「経験」にしても、投資として考えると実施時期はおおむね早いほうがより有効だ。理由は、身についた知識やスキル、経験などを、より長く使うことができるからだ。「学校での勉強」や「旅行」、あるいは、「美味しいものを食べる」にしても「人間関係を広げる」にしても、より早く行うほうが投資としては有効だ。しかも、これらが有効に働くと、将来の「稼ぎ」を増やすことに貢献するかもしれない。

急いでFIREを目指す人生と、バランスを計算しながらも早期にお金を使うことに積極的な人生との比較は、金融資産への投資と、自分の人的資本への投資のバランスを考えることに帰着する。筆者としては、早期FIRE達成よりも、前掲の拙著「人生にお金はいくら必要か」の路線をお勧めしたいと思っている。つけ加えると、「稼げる」だけでなく、「面白い!」と思える仕事を獲得するキャリアプランが幸せには大切だろう。

面白い仕事で、必要十分に稼げる機会があるなら、あとは健康である限り、早期リタイアは必要ないのだから。なお、「FIRE」は投資家の関心が高いテーマなので、筆者のYouTube動画(約22分編)や同短編(1分)をアップしてみました。時間とご興味のある方は、試聴してみてください(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

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