あなたの子の「やる気スイッチ」はどこだ? キーワードは、「ほめる+質問」だった!
アエラが実施したアンケートでは、「わが子に言ってしまい反省した言葉」に、「早くしなさい」「何でこんなことができないの」「ダメ」「お兄ちゃんなんだから」など心理的に追い込む言葉や、子どもを否定する「自尊感情抹消ワード」が並ぶ。「お父(母)さんにそっくり」は親子同時にバッサリだ。
問いかけるほめ方
では、小学生までの子どもの意欲を引き出す言葉とはどんなものか。『少年サッカーは9割親で決まる』を監修したJリーグ京都サンガF.C.普及部部長の池上正さんは、「問いかけるほめ方」を勧める。例えば、子どもが何か良いことをしたり、できるようになったりしたとき。「すごいね」だけで終わらせず、おまけの質問を付け足す。
「へえ、どうやってやったの?」
「何がヒントになったの?」
これらの問いかけは「次の取り組みにつながる意欲を引き出すうえに、お母さんは自分にすごく関心がある、ひいては大事にされているという安心感につながる」(池上さん)という。無視や無関心が子どもにとって一番痛手になることを思えばうなずける。ほめた後にひと言質問を加えればいいのだから、すぐに実践できそうだ。
『思春期の子をやる気にさせる親のひと言』の著者で、自称「やる気スイッチマン」の大塚隆司さんは、ベテラン家庭教師。不登校の小学校高学年、中高校生を支えてきた。
ひとつのダイスキに
大塚さんが挙げる中高校生へのNGワードは「どうしてそういうことするの!」「だから、言ったじゃん」「おまえにできるわけがない」など、責め口調の否定形が多い。
「今のままでいいと思ってるの?」「相当ヤバいよ」といった、不安を煽る言葉も歓迎できないという(32ページの「家族辞苑」に詳述)。
「本人がヤバいと思わないと勉強しませんなんて、学校の先生がよく言う言葉。でも煽り言葉に反応して勉強しても、少しよくなるとやる気はすぐ落ちる。健全なやる気は引き出せないと思った方がいい」(大塚さん)
ヤバいぞと煽られ続けた日本の若者たちは、自分への満足感も将来への希望も諸外国と比べて低い。