「3850円寿司食べ放題」実施した社長が見た光明

TikTokを通じて広まり、魚介の仕入れ量は3倍に

海鮮居酒屋「俺の魚を食ってみろ!!」を運営する株式会社AO代表取締役の前原妙子氏。1月の緊急事態宣言発出より、仲卸業者・生産者の応援企画として「海鮮、寿司食べ放題」を 実施。「すべての人の幸せ」を経営理念に、客、社員、仲卸業者、生産者が互いにwin-winな事業を目指し奮闘している(筆者撮影)
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まぐろ、ボタンエビ、いくら、サーモンなどの寿司に、器に山盛りの甘エビ、赤エビ。築地から直送の新鮮で質のよい魚介が、90分3850円で食べ放題として話題になっている。都内西新宿、神田に店舗を展開する海鮮居酒屋「俺の魚を食ってみろ!!」が、緊急事態宣言下や首都圏の蔓延防止措置実施期間において展開する食べ放題企画だ。

動画投稿プラットフォームTikTokを通じ若い世代を中心に広まり、営業時間がすべて予約で埋まるほどに。瞬く間に売り上げ平年の2倍、魚介の仕入れ量3倍に達するまでになった。

ここで「仕入れ量」と記したのは、本企画が、コロナで危機に瀕する仲卸業者・生産者の支援を目的としているためだ。SNSで爆発的に拡散されたのも、“支援”というキーワードが、外食文化を守りたいと考える人々の心に響いたためだろう。

昼食にお金をかけるスタイルへの移行

加えて、コロナによる食事習慣の変化が後押ししている。

つまり、時短要請などを受け、昼間にアルコールを飲んだり、昼食にお金や時間をかけるスタイルへと移行しつつある実態だ。結果、高級ホテルのレストランや焼肉、寿司など、平時ならディナー需要こそが高いジャンルにおいて、昼間の利用が増えている。

「俺の魚を〜」が展開する食べ放題企画も、そうした新しいランチ動向をうまく捉えたことが成功の一つの理由だろう。

運営するのは株式会社AO。代表取締役の前原妙子氏によると、2度目の緊急事態宣言に直面してすぐにこの企画をスタートしたのは、仲卸業者や生産者の苦境が「他人事ではなかった」ことが大きな理由になっている。

というのも、同社はもともと仲卸業者と関係の深い会社だからだ。「俺の魚を〜」は築地のある仲卸業者が運営していた会社で、2019年にM&Aを行い、AOが経営に着手することとなった。

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