認可保育園で「習い事に月謝2万円」続出のなぜ

幼保無償化で出没する「家計吸い上げ」ビジネス

行き当たりばったりな保育政策のしわ寄せは、結局子どもたちに来てしまいます(写真:Fast&Slow / PIXTA)

「保育時間内の習い事の月謝(1〜2万円)を徴収する園がある」――。今年に入ってから保育園を考える親の会に、こうした苦情が相次いで入ってきました。

幼稚園では、正規の預かり時間終了後に習い事を実施して、保育料とは別に月謝を集めることはよく行われてきました。

しかし、認可保育園の場合、公費で経費が賄われている保育時間内に別料金を徴収するというのは奇妙なことです。しかも、調べたところ、保護者の選択制で別料金を納めた家庭の子どものみが習い事保育を受けるというやり方が多数になっているようです。

背景に「理念なき制度運用」

幼保連携型認定こども園ができる2015年以前に私が問い合わせたとき、厚生労働省保育課は「保育時間内の保育の経費は公費で賄われているので、別料金は許されない。何か材料費などがかかる場合の実費のみ許容できる」と回答していました。

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当時も今も、認可保育園は世帯所得に応じた保育料が設定されていて、低所得家庭の保育料は無料もしくは低額に軽減されています。

そこには、家庭の経済状態にかかわらず質を確保した保育を保障するという児童福祉の理念があったはずです。

2015年に幼保一体化のかけ声のもと幼保連携型認定こども園の制度が開始し、認可保育園、認定こども園、幼稚園は内閣府が主管する子ども・子育て支援制度のもとに包括されました。認可保育園と幼保連携型認定こども園は児童福祉施設であり、同時に幼児教育を担う施設として位置付けられています。

これらの保育施設の別料金(上乗せ徴収・実費徴収)に関することも内閣府が所管していますが、さまざまな事業者の事情や思惑がまじりあってしまった今、内閣府に別料金の是非を尋ねても以前のような明確な回答は得られなくなっています。

幼稚園や営利企業の手法と児童福祉の理念の整合性が議論されないまま、ただ諸事情を許容していく理念なき制度運用となっているのではないかと、私は危ぶんでいます。

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