「ダイバーシティ」の目的は多様性を企業の成長に結びつけること--第3回ダイバーシティ経営大賞・パネルディスカッション

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 女性が能力的に劣るという認識は当然ないので、この結果について「なぜだろう」と考えました。差があることを明確に認識し、ただ解消するのではなく、なぜこの差が生まれるのか、どうしてこういう差になっているのか、また差があっていいのか、一人ひとり考えてもらいました。

女性がどのようなときに不快に感じるかをロールプレイングで体験

次に、社員に実体験してもらいました。管理職を対象にしたトレーニングでは、男性上司、女性社員、見ている人の三役で当社でよくあるシチュエーションを演じるロールプレイングを行いました。女性社員役の発言のみシナリオがあり、男性上司役の受け答えをみんなで検討するというものです。そうすると、どういうときに不快に感じるか身をもって体験できます。

今後の課題は、女性本人が思っている効果と実際に周りの人が思っている効果の違いを埋めていくことです。当社が女性管理職の登用を進める中で、絶対やらないようにしているのが「何%を管理職にする」といった数値目標を置くことです。これには、当社の優れた点である「公平性」が失われるリスクがあるからです。

女性を育成するために、3R「ライトスポンサー・ライトクライアント・ライトロール」というプログラムを行っています。女性に、「あなたにスポンサーがついているということを知っていますか。そのスポンサーが私をサポートするのにふさわしい人ですか」というアンケートをとりましたが、本人の結果と、スポンサーになっている人の結果に大きなギャップがありました。

これを気づきとして、新しい仕組みがうまく活用できているかを見ながら、ギャップがあれば、どんどん埋めていく。これが、この段階での課題だと認識しています。

■ファイザー 意欲とポテンシャルを持つ女性が、いきいきと働ける制度を作る

中田(ファイザー) ファイザーの中田です。私自身はダイバーシティの専任ではありませんが、後ほどご紹介しますJapan Women’s Councilのメンバー、またJapan Women’s Colleague Resource Groupのリーダーをしています。

当社は、「多様性をインクルージョンすること」とダイバーシティをとらえています。その一つとして「女性がいきいきと働き、ファイザーの成長に貢献するために」ということで女性活躍推進に取り組んでおり、あくまでも目的は会社の成長、ビジネスゴールの達成です。

2006年から、日本法人では全社的にダイバーシティの展開を開始し、第1期では制度の見直しや構築によって、ワークライフ・マネジメント(*注:ファイザーでは自分で仕事とライフをマネジメントすることを目指してワークライフ・マネジメントという言葉を使用している)の実現、時間外労働の削減に着手しました。続く第2期では、実際に、制度が使える仕組みになっているかを検証しています。

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