「ダイバーシティ」の目的は多様性を企業の成長に結びつけること--第3回ダイバーシティ経営大賞・パネルディスカッション


 まず強制力ですが、「最終退館が何時で、何人の社員が19時以降に残っていたか」を、毎日各部署に報告してもらい、社長をはじめ役員にその結果を送りました。何日か続けて遅くなっている支店があると、人事部から「社長が見ています」と支店に伝えました。

もう1つの趣旨を伝えるところは、あらゆる機会を通じて「なぜこれが必要か」を社長自らが語りかけました。もちろん理由があれば会社に残ってもよいのですが、必ず申請が必要ということを徹底しました。

もともと早く帰る文化があまりなく、朝が早く夜が遅い業界なので、仕事を切り上げて帰ることに最初はかなり抵抗がありました。しかし、トップが本気だということに気づき始め、いまでは19時前に帰るのが当たり前という状況になりつつあります。

■質問5

司会 ありがとうございます。それでは最後の質問です。外資系の会社の方だと思いますが、「海外にある本社が、ダイバーシティで日本の実情にあわないことをいろいろ言ってきます。本社から押し付けられた方針をいかにジャパナイズするのでしょうか」という質問です。

従業員が100%日本人だとすると、アメリカとはダイバーシティに対する風土がまったく違い、日本人の社員の意識もさまざまだと思います。ではファイザーさん、お願いします。

中田(ファイザー) 親会社の本社があるアメリカと日本の文化は違うということを本社は理解してくれています。たとえば、本社では女性社員が非常に多いので、女性の管理職登用という数値目標を出すと、逆に男性のチャンスを奪うのでは、ということになりかねません。日本の文化や環境等も十分に説明した上で、数値目標を示すなどしています。
 
 グローバルからマネジメントが来たときは必ず、サクセションプランニングといって、後継者候補や、育成について話をするのですが、そこで「どうして候補者に女性がいないのか」という話に必ずなります。「社内にいないのなら外から連れてくればいい」というのがアメリカの考え方ですので、日本での採用の違い、雇用環境の違いなども伝えています。

当社では社内のダイバーシティの調査は、女性だけではなく全社員にしています。その結果を本社に見せて、数値で説明しながら日本の環境を説明することも大切です。日本独自の制度を作る際などに、本社からのサポートをしてもらえるツールにある程度なっていると思います。

司会 ありがとうございました。私ども審査員が実際に審査を行い、感じているのは1回目と比べると段違いに応募される企業の内容、質も上がってきたということです。今後は、インクルージョンやダイバーシティをマネージするリーダー、マネジャーの仕事が焦点になってくると思います。次回もたくさんの企業からご応募いただけますように、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
(終わり)

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