「ダイバーシティ」の目的は多様性を企業の成長に結びつけること--第3回ダイバーシティ経営大賞・パネルディスカッション


女性活用推進はP&Gの市場競争力を高めるため

後者については2つの理由があります。1つは、P&Gは消費財メーカーなので、女性が大半を占める消費者やショッパーを理解するため、多様な社員の中に女性が必要であること。もう1つが日本でまだ十分に活用・発掘されていない女性を活用していくこと。これらを通じて、P&Gの市場競争力をさらに高めたいと思っています。

当社のダイバーシティモデルでは、「成長」、「インクルージョン」、「柔軟性」の3つを重点分野としています。「成長」は、女性管理職の比率を上昇させていくことが目的です。2010年2月1日現在で、女性比率は課長レベルで全体の27%、部長レベルで23%、役員レベルで22%です。日本の全国平均に比べれば高いですが、まだまだ向上させる余地がありますので、女性社員の定着率の向上と活用、そして育成を戦略としています。

「インクルージョン」では、外部講師からベストプラクティスの紹介を受けたり、社員同士でお互いの違い、異文化間の違いを学んだり、といった学習イベントを開催しています。これらを通じて全員参加でダイバーシティの企業文化を作ろうとしています。

さらに、「柔軟性」がある制度や職場環境を作ることも重要です。制度を手厚くするだけで社員の多様なニーズが満たせるわけではありません。本当にその社員が必要とする支援を、必要なときに活用できるように、運営の仕方に柔軟性を持つことも大切だと思います。

ダイバーシティの取り組みでは、性別だけでなく、国籍の多様性も強化しています。また、当社では「ワーク・ライフ・バランス」を「ベターワーク・ベターライフ」と呼び、仕事と生活の両方の質を高いものにしていきたいと思っています。ダイバーシティは一回で終わるプロジェクトではなく、長い旅であると考えていますので、今後も前に進みながら学び続け、向上させ続けたいと思います。

■大和証券グループ 働き方を変えるには強制力も必要

村瀬(大和証券グループ本社) 大和証券グループ本社人事部ワーク・ライフ・バランス推進課の村瀬です。当社は何よりも人あってこその企業ですので、社員のモチベーションや会社に対するロイヤルティを高めるために、ワーク・ライフ・バランスの推進を行ってきました。中期経営計画でも、「高次元のワーク・ライフ・バランスの実現」とうたい、当社が持続的に発展していくために必要な経営戦略の一環として、最重要の施策という位置づけで取り組みを行っています。

当社グループでは「ワークハード・ライフハード」という言葉を使い、「ワーク」も「ライフ」も「全力で」取り組むことを重視しています。今は昔のように会社にすべてをささげて働く時代ではありません。人それぞれにいろいろな価値観があります。人生もきちんと楽しまなければいけないという考えをこの言葉に集約しています。そのために会社として仕組みを作っていく必要があり、組織として推進しています。

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先陣切った米国の生産再開<br>透けるトヨタの“深謀遠慮”

米国でトヨタ自動車が約50日ぶりに5月11日から現地生産を再開しました。いち早く操業再開に踏み切った背景にあるのが、日本の国内工場と米トランプ政権への配慮。ドル箱の米国市場も国内生産も守りたい巨大グローバル企業の深謀遠慮が垣間見えます。