日本人はアメリカ株投資の魅力をわかってない 30年で12倍と「ピークに戻ってない市場」との差
むろん、こうした数字は株価のみを見たものだが、途中で株式分割や配当分などを合わせれば、この数字はさらに大きく膨らんでいく。いずれにしても、日本の株式市場がアメリカに比べて株価の上昇の勢いが圧倒的に低いことは間違いない。平均株価の指数を見ても明らかだ。とりわけ、日本企業の中には本来は破綻しているはずの企業が数多く残っている。アメリカのように企業のスクラップアンドビルドが活発な社会的基盤が、日本にはないのも大きな問題といっていい。
DX、AI、EV……、アメリカ企業は最先端技術の宝庫
最先端技術はアメリカ企業が握っている
アメリカ株の魅力は、ただ単に株価が日本株に比べて上昇のスピードが速いというだけではない。その背景には、現在の産業活動の最先端の技術はアメリカ企業が握っていることと関係している。
GAFAも、もとはと言えば過去の最先端技術を応用した成果と言ってもいい。現在では、AI(人工知能)や DX(デジタルトランスフォーメーション)、フィンテック(ファイナンス・テクノロジー)といった、これからの産業社会を支える技術を持っている企業が多い。
加えてグリーン化(脱炭素社会)といった世界的なトレンドの中で、その技術的なリーダーになっている企業が多い。日本企業の中にも、燃料電池やDXの最先端技術を持っている企業も少なくないが、アメリカが基礎的な技術部門に強いのに対して、日本の企業はそうした最先端技術を使って商品をつくるとか、応用技術を駆使してビジネスを行う企業が多い。半導体開発そのものよりも、半導体を製造する機械は世界のトップレベル……、という具合だ。ベースとなる基礎的な最先端技術を持った企業がアメリカの株式市場には数多く上場していると言うことだ。
コロナ禍の中でも、ナスダック市場などの「グロース株」が急成長したが、将来の成長を先取りしすぎて、現在は一時期の勢いを失っている。ワクチン接種の普及によってパンデミックの収束が見込まれるようになってきたが、これまで厳しい景気の後退で見放されていた「バリュー株」が買われるようになってきた。
要するに、アメリカ市場ではつねに世界に先駆けて先を見越した投資行動が行われており、そういう意味でもアメリカ市場には魅力があるといっていい。ちなみに、現在新しい技術やビジネスモデルを持つ企業として注目されている銘柄をいくつかピックアップしておこう。
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