日本人はアメリカ株投資の魅力をわかってない 30年で12倍と「ピークに戻ってない市場」との差

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実際に、アメリカ株と日本株との間にはどれだけの差があるのだろうか。簡単に整理すると次のような点が指摘される。

<アメリカ株の魅力①>
とにかく上がるアメリカ株、一向に上がらない日本株

過去30年間の日米の株式市場を振り返ってみると、その差は一目瞭然だ。株価指数の「S&P500」で見ると、1990年末の段階で330.22、2020年末の時点では3756.07。30年でざっと11.3倍に上昇した。周知のように、その後も株価は上昇し続けて、直近の数字では4180.17(2021年4月23日現在、終値)、12倍を超えるパフォーマンスになっている。

一方の「東証株価指数(TOPIX)」では1991年3月末時点の指数が1970.73。30年後の2021年3月末では1954.00となっている。日経平均株価は3万円を回復したものの、ピークに届いていないし、もちろん東証株価指数も最高値を更新できていない。12倍になった市場と30年前の最高値を更新すらできていない市場ではとても比較にならない。この30年間、日本の投資家がいかに厳しい戦いを強いられてきたかがわかるはずだ。

ニトリやキーエンスなどは成長したが

日本の株式市場で、日経平均株価が30年ぶりに3万円台を回復したのは、2021年2月15日。終値で3万円台を付けたのは1990年8月2日以来だったわけだが、この30年間の株価騰落率ランキングを見ると、「ニトリHD」の57倍をはじめとして、「キーエンス」(34倍)、「日本電産」(26倍)、「ユニ・チャーム」(19倍)といった順に並ぶ。確かに、日本でもアメリカ株の平均的なパフォーマンスを上回る企業は株多くある。

さらに、30年の間に新規に上場した企業も数多くある。1990年8月3日以降に新規上場した銘柄の2021年2月15日終値を比較した場合、ソフトバンクの親会社である「ZHD」の273倍をはじめとして、ユニクロの「ファーストリテイリング」(101倍)、「エムスリー」(97倍)、「ゼンショーホールディングス」(76倍)、「レーザーテック」(71倍)などがある。

こう見ると、日本株も銘柄選択さえ誤らなければ、大きな収益を得られると思うかもしれない。しかし、これはあくまでも4000社もある銘柄のベスト5にすぎない。平均株価が30年で12倍になったアメリカ株とは比較にならないのだ。

アメリカ株はどうだろう。アメリカ企業を象徴するといえばGoogle、Amazon、Facebook、Appleの「GAFA」になるが、上場来からの騰落率を見ると次のようになる。

●Google(GOOGL)……27倍、上場時(2004年8月)公募価格85ドル、初値100ドル→現在値2299.93ドル(2021年4月23日終値、以下同)、途中でAlphabetに社名変更。
●Amazon.com(AMZN)……186倍、上場時(1997年5月)初値18ドル→3340.88ドル(同)
●Facebook(FB)……8倍、上場時(2012年5月)公募価格38ドル、初値42ドル→301.13(同)
●Apple(AAPL)……6倍、上場時(1980年12月)公募価格22ドル→134.32(同)
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