日本人はアメリカ株投資の魅力をわかってない 30年で12倍と「ピークに戻ってない市場」との差
●ショッピファイ(SHOP)……中小企業向けクラウドベースの商取引プラットフォームを提供する企業。アマゾンの中小企業向けサービスといってもいいかもしれない。上場後3年半で株価は最高で10倍に達した。
●テスラ(TSLA)……EV(電気自動車)のパイオニア的な存在。世界のEV市場を牽引してきた。時価総額でアップルを抜いたこともある。
●ファイザー(PFE)……新型コロナウイルスのワクチン開発でリードしている製薬企業大手。長年増配を続ける企業としても知られる。
●インベスコQQQトラスト(QQQ)……グローバルなハイテク企業を集めたETF。アメリカの若者が積み立てて資産を形成しているといわれる。
●スクエア(SQ)……金融サービス、マーケティングサービスを提供するフィンテック産業のひとつ。3年前に上場して以来、株価が6倍になった。
収益力が高い企業が多く、高配当銘柄も多い
アメリカ株の魅力で忘れてならないのは、その収益力の高さだ。アメリカの企業は、会社は株主のものという認識が非常に強く、株主から集めた資本をいかに活用して経営者が株主に還元できるかを重視する。日本の企業は、会社は経営者や従業員のものという意識が強く、一部の経営者が自己保身のために延々と誤った経営判断を繰り返してきた一面がある。
ROEは日本5.5%、アメリカ11.9%
実際に株主資本に対していくらの利益を稼ぎ出したかを示す「自己資本利益率(ROE)」という指標があるが、2020年7月時点で日本は平均5.5%、対してアメリカ企業は同11.9%となっている。つまり日本の企業に比べてアメリカの企業は、2倍稼ぐと言うことだ。
収益力が高いから、アメリカには高い配当利回りを出す企業が数多くある。しかも20年以上増配を続けている企業なども数多くある。
日本で配当の高い企業というのは大きく分けて2つあり、実際に高い収益を上げて利益還元のために配当を出している企業もあれば、その一方で高い利回りを出すことによって株価の維持を図っている企業も多い。こうした企業の中には、株価を高く維持することで経営者の保身に役立っているケースもあり、日本で高配当銘柄に投資するのはある意味で慎重にならざるをえない。
その点、アメリカの場合は株主のチェックも厳しいために、業績が悪いのに高い配当を出そうものなら厳しく糾弾される。そういう意味では、アメリカ企業の高配当利回りは日本よりは安心して投資できるのかもしれない。
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