星野リゾート代表「GoTo補助額は下げるべきだ」 東京五輪「無観客でも開催すべき」と断言する訳

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――なるべくシンプルな仕組みに、ということですね。

さらに、Go Toがなくても需要が生まれる3日以上の連休は対象から外すべきだろう。ゴールデンウィーク、お盆、秋の連休などは外していい。土日と平日で補助率の差をつけることも煩雑になるし、土日しか旅行できない人からすれば不公平感もある。

これからまた感染が拡大する局面もあるかもしれないが、こうした仕組みなら批判されることなくたんたんと続けられる。シンプルで継続できることが最もプラスになると思う。

――東京五輪は開催すべきと主張されています。

ワクチン接種が始まった後の今回の五輪は「日本に旅をしても安心・安全だ」ということを見せる、ものすごく大きなチャンスだ。本当にチャンス。選手やメディア関係者が来て、日本のコロナ対策、街の様子、感染拡大の状況が世界中に発信される。

そこで今年の年末や来年以降に行けると思ってもらえるような状況を発信できれば、その成果は来年、再来年に効いてくる。無観客でもまったく構わない。

地方媒体とのリレーションを強化

星野佳路(ほしの よしはる)/1960年生まれ。日本航空開発(オークラ ニッコー ホテルマネジメント)を経て、91年から実家の星野温泉社長就任。現在はグループの代表を務める(撮影:今祥雄)

――コロナ禍では早期から、自動車で1~2時間で行ける範囲の「マイクロツーリズム」を獲得していく戦略を掲げてきました。

昨年はマイクロツーリズムがなければ壊滅的な稼働率だったと思う。7~11月は2019年の実績を超えた施設もあったほど、影響は大きかった。ただ、地域の人々に「あなたのために用意したプランです」と明確なアピールができなかったという課題もあった。

そこで、移動しても感染リスクが低いエリアを「マイクロツーリズム商圏」と設定し、地域ごとにターゲットを定めてやっている。

地域の方々に情報を伝える方法も練った。その1つが地方新聞や地域の情報誌、フリーペーパーなどで、広告も出している。QRコードを載せて、HPに飛んで予約してもらう。それが大きな成果になった。

この時期にキャッシュを使うことに抵抗もあったが、広告に使ったお金をマイクロツーリズムの売り上げで割ると10%強ぐらいで、効率は悪くなかった。われわれにとってもプラスになるので、地方媒体とのリレーション強化は進めていきたい。

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