星野リゾート代表「GoTo補助額は下げるべきだ」 東京五輪「無観客でも開催すべき」と断言する訳
――2022年春まで、都市観光が中心となるホテル「OMO(オモ)」、温泉旅館「界」の出店が続きます。
「箱根の星野リゾートに泊まってきた!」とSNSに投稿するお客様がいるが、僕としては「界 箱根に泊まってきた」と言ってもらえるようにしていきたい。特にOMOなど、これまでとは違ったタイプの施設を増やしている中では、それぞれがブランドとして自立していくことこそ将来的に大事だと思っている。
「星のや」も長期でブランド戦略をやってきたが、これからはサブブランドも強化していきたい。
地域の需要が高まるとホテルの需要も高まるため、他社では「地域に投資している」という例はある。が、僕らは(地域でなく)ターゲットを見ている。どれだけターゲットがいるか分析し、イベントなどさまざまな仕掛けで来てもらう理由を作ることをやっていく。
土浦には自転車がテーマで20〜30代がターゲットの「BEB5土浦」がある。僕らからするといい場所だが、外資では(地域の需要が高くないと判断され)絶対にできないだろう。
今は開業するのに悪い時期ではない
――出店を続ける背景には、環境の変化があるのでしょうか?
われわれはホテル運営会社なので、全部の案件にオーナーがいる。収益を上げるためにはどの運営会社がいいか、ということで声をかけていただいている。なぜ開業できるかといえば、オーナーの意向があるからだ。
ブランド戦略を長く続けてきて認知度は上がり、集客力もついた。スマホやネットで予約する時代になり、それがうまく機能している。REIT(不動産投資信託)の物件は収益も公開されていて、投資家やオーナーが星野リゾートを候補に入れてくれるようになった。難しい再生案件を手掛けてきたことも評価されていると思う。
今は開業するのに悪い時期ではない。今ぐらいから情報を発信していかないと、需要が戻ってきたときに予約を得られない。今年は夏のシーズンというよりも、Go Toのシーズンだろう。
感染が収まれば予約が始まる、Go Toが再開されれば予約は上がる、ワクチン接種率が上がればさらに上がる。そのときに初めて発信するのでは間に合わない。
ワクチン接種が進めばコロナ禍が終わり、需要は元通りになると考えている。それが間違っていたら大変なことになるが、元に戻らない理由を見つけるほうが難しい。2022年、2023年はかなり需要が戻ってくるだろう。だから、予定通り開業させることが大事だと思っている。
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