今週ある事実が明らかになると、2年前の物語のオセロがぱたぱたっと裏返しになって、で、そこが裏返ると、5年前の物語もぱたぱたっと白黒が入れ替わる。そんな立体的な感覚なのです。
現在が、過去を操作している
これから起こることが、過去を塗り替える
そんな立体的なアハ体験が、たまらないのです。
だから新刊を待ってしまうし、現在地が変わるたびに、過去の記憶を修正しなきゃいけないから、既刊も何度も読み返してしまう。
これが、コナン沼の正体ではないかと、筆者は思っています。
劇場版を3倍楽しむための「予習」と「復習」
今回の『緋色の弾丸』は、過去の因縁を知らなくても観られる一方、長年コナンウォッチをしてきた人たちにとっては、やはり、点と点がつながる感覚のある作品になっていると感じました。
初めてふらっと観に行っても十分楽しめますが、今回の主役となる赤井家、とくに赤井秀一にまつわるエピソードをおさらいしていくと、より楽しめると思います。
コミックでいうと赤井秀一が初登場する29巻と、その正体が明かされる34〜35巻。そして、シリーズ最高のトリックとも言われる赤井の殉死をめぐる58〜59巻と85巻。劇場版では第18作の『異次元の狙撃手』を観てから行くといいでしょう。
ちなみに、コナンにはテーマごとにまとまったセレクション本という“ずるいまとめ本”が存在しておりまして、この「赤井ファミリーセレクション」を読んでおくと、無敵です。
そして、今回の『緋色の弾丸』でコナン映画を一気に観たいと思ったみなさまには。まず『純黒の悪夢』(2016年)をイチ推しします。
今作に登場する赤井秀一が活躍する映画であることと、なにより、コナン全作品の中でももっとも完成度が高いのではないかと思われるストーリーラインが切なくていいです。ゲスト出演した天海祐希さんの声も最高です。
それ以外の過去作を独断と偏見でおすすめすると、
二推しは第6作の『ベイカー街の亡霊』(2002年)。これは、ホームズの世界観にトリップする名作です。コナン映画の方向性を決定づけた初期の重要作だと思います。コナンのパパとママがかっこいいんですよ。
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