客席は子連れよりも大人だけのお客さんのほうが多くて、あーなるほどーと、妙に納得したのを覚えています。
あとで知るのですが、この2018年の『ゼロの執行人』はコナン映画にとってもエポックメイキングなもので、2018年の邦画の中では興行収入ランキング1位。映画全体でも『ボヘミアン・ラプソディ』に続く2位。この作品が20代、30代のコナンファンを一気に増やしたと言われています。
ストーリーの面白さに加えて、キャラ萌え要素が加わった『ゼロの執行人』。公安警察・安室透さん人気が爆発したことも話題になりました(これは完全に余談ですが、この年に引退が決まっていた安室奈美恵さんについて検索しようとすると安室透がヒットしてしまうと、音楽関係者がぼやいていたのを覚えています)
筆者も例にもれず、この『ゼロの執行人』で“沼った”一人。当時のSNSには「この1年で観た映画の中で、いちばん面白かった」とアップしておりました。
当時コミックが94巻まで出ていて、それを一気読みしたあと、劇場版コナンをHuluで20本観て、映画館にもう1回行って「なるほど、このシーンはそういう意味だったか」とにんまりして、やっとひと息つきました。
以降、新巻が出るたびに買い、多い巻は10回以上読み返してます。
新作が出るたびに、過去が塗り替えられる
さて。われわれはなぜ、コナンにハマるのか。
実は、漫画の名探偵コナンを「殺人推理もの」と思って読むと、それほど面白くないです(ごめんなさい)。
とくに連載開始から27年経った近年は、殺人事件が完全にルーティンと化してます。よく揶揄されますが、コナンがこれまでに立ちあった殺人回数を数えると、完全に死神レベル。2日に1回以上は殺人事件と遭遇している計算になるそうです。そりゃ、動機もトリックも既視感出てきます。
なぜ、それでも「ルーティン殺人」を追いかけてしまうかというと、その合間に時折手に入る「ラスボス(=黒の組織)をめぐる情報のかけら」がたまらないのです。
この点と点が、あるときぶわっと繋がる瞬間のエクスタシーに、ハマってしまうんですよね。
というのも、コナンのそれって、よくあるような「伏線が回収されて、パズルのピースがハマる」って感じとはちょっと違うのです。そんな平面的な感じの繋がり方ではないのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら