松山より先にオーガスタV「梶谷翼」17歳の凄さ 渋野日向子と同郷、父が語った成長の軌跡

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まだ17歳、これからが大変だ。今年の女子プロテストを受験する予定だが、その前に今回の優勝で女子ツアーのトーナメントから推薦の出場オファーがいくつも届いているという。すでに5月の中京テレビ・ブリヂストンレディスオープンへの出場が決まっている。

教義さんは「今年の女子ツアーは2年間で1シーズンになっていますが、アマチュアが出られる試合数が規定で8試合。あと2試合しか出られないんです」と、悩ましい選択に迫られている。

2021年は37試合開催予定で、2020年に行われた14試合と合わせて51試合で1シーズンとなる。今年は新型コロナウイルス感染防止対策のうえでの有観客試合もでてきている。学業との兼ね合いはあるが、梶谷を見たいファンも多いだろう。

ゴルフ界にとっては明るい材料

岡山県ゴルフ協会のジュニア会員登録。石川遼が出てきた2009年ごろに500人を超えたが、その後減少に転じていた。「渋野選手の活躍で増えてきて今は230人ほどです」(小川事務局長)。梶谷優勝で問い合わせもあり「さらに」と期待感がある。

梶谷が育った世界ジュニアの開催はコロナ禍で不透明だが、日本代表を決める日本予選が現在各地で開催されている。国際ジュニアゴルフ育成協会ではこれまで日本代表の渡航費用の補助をしてきたが、今年はコロナ禍で協賛スポンサーが減っている。男女ツアーには時松隆光、畑岡奈紗らここ10年ほどの世界ジュニア経験者は多い。「翼のような選手が出てくるよう、これからも続けます」と井上代表理事。今年も約1000人がかつての梶谷のように世界を目指している。

子どもたちが「自分から」ゴルフを始めたい、「世界を目指してみよう」と思えるような目標に、年齢的にも身近な梶谷がなっていくなら、ゴルフ界には明るい材料だ。こうした選手が多く出るように「環境」をつくる家族、地域、組織(協会)であることも大切なことを、あらためて梶谷が教えてくれた。同時にそうした環境をなくさないことも、今後の子どもたちのために大事だ。(一部敬称略)

赤坂 厚 スポーツライター

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あかさか あつし / Atsushi Akasaka

1982年日刊スポーツ新聞社に入社し、同年からゴルフを担当。AON全盛期、岡本綾子のアメリカ女子ツアーなどを取材。カルガリー冬季五輪、プロ野球巨人、バルセロナ五輪、大相撲などを担当後、社会部でオウム事件などを取材。文化社会部、スポーツ部、東北支社でデスク、2012年に同新聞社を退社。著書に『ゴルフが消える日 至高のスポーツは「贅沢」「接待」から脱却できるか』(中央公論新社)。

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