松山より先にオーガスタV「梶谷翼」17歳の凄さ

渋野日向子と同郷、父が語った成長の軌跡

世界ジュニアとのかかわりはすぐ来る。教義さんが偶然見つけた世界ジュニアの日本予選に、ゴルフを始めて間もない2011年に出場。会場の千葉県には、「家族旅行の気分で車で行きました」(教義さん)。結果は2位で世界には行けなかったが「前半トップに立ちまして、本人も『あれ?』みたいな。世界が見えたなと(笑)。本人がやる気になりました」。

梶谷がゴルフを本格的に始めたのは「本人の意思」だったのが、その後につながってくる。教義さんは「自分で気づくことが大事だと思います」という。そうなると、ゴルフはお金がかかるスポーツでもある。

「家計は大変でした。今もそうですけど」と教義さんは笑う。贅沢を考えず、娘の目標=世界を達成できるように家族が見守った。「遊びのパター合戦であろうが、ゴルフに関しては勝ちにこだわらないといけないよ、と(梶谷には)言った。そしてお金のあるないで練習環境が違うことを負けた理由にしない、創意工夫をしてやろう、と」。

ジュニアの育成に熱心な岡山県

岡山県のジュニアゴルフの環境も、梶谷を育てた要因に1つでもある。岡山県ゴルフ協会では20年以上前から、「ジュニア育成として県内35の加盟クラブにジュニア特別料金の設定を依頼し、ゴルフ場側も低料金で応じてくれています」(小川慎二事務局長)。

ジュニア会員(小1~高3)の登録をすると、土日も含めて1ラウンド1000~3000円前後でプレーできるコースが多い。各都道府県でジュニア料金が設定されているが、岡山県は特に低価格といえる。

「翼が子どものころは、練習場では300円程度で打ち放題にしてくれた。コースも午後からハーフ(9ホール)をキャディーバッグ担いで回れば1000~2000円でした。ありがたかった」と教義さん。こうした土壌があって、岡山県からは渋野日向子らも育っている。

多くのジュニアゴルファーは、平日が練習場、土日がラウンドというサイクルが多い。ところが梶谷の場合、週末は弟の駿くんとショートコースに行ってアプローチの練習をずっとやっていたという。小中学生時代にはコーチについていなかった。費用の面もあるが、教義さんが言う「自分で気づく」「創意工夫」の1つだ。

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