「集団的自衛権は日本にとって有効である」

元海軍大将が語る「日米同盟の今後」

デニス・ブレア●ワシントンの米国笹川平和財団会長。米太平洋艦隊総司令官を務めた海軍大将。2002年退役。国防総省シンクタンクの防衛分析所所長(2003~2006年)。米情報コミュニティーを統括する国家情報長官(2009年1月~2010年5月)。米海軍兵学校卒、英オックスフォード大学ローズ奨学生(写真:ロイター/アフロ)

――安倍晋三政権による新しい憲法解釈がなされたが、日米同盟にはどんなプラスがあると思うか。

日米軍事協力のポテンシャルが更新されることになる。これまで長きにわたって解釈されてきた憲法9条は冷戦下では有効だった。その時代の日本の主たる脅威はソ連の潜水艦やミサイルによる北海道北部への攻撃、日本近海の封鎖、米国からの分断だった。冷戦崩壊以後、われわれは新しい世界に直面している。複雑な脅威や有事に対処しなければならない。それには自衛抑止力としての武力行使や攻撃に対する実際の武力行使など、一連の軍事力が必要になる。

日本のこれまでの個別的自衛のスタンスは、今、日本が直面している脅威に対して非常に狭い配置になっている。これまでの憲法解釈では今日、日本が直面している脅威や挑戦に対して米国が提供しようとしている軍事的容量に合わせることができない。

守ろうとしているのは米軍基地?

――以前、日本と北朝鮮や中国との紛争について質問したとき「主たる関心は、日本にある米軍基地をミサイル攻撃からいかに防衛するかである」と答えていた。

われわれは朝鮮半島と台湾の2つの有事に対して準備し、実行し、抑止している。この2つの有事に対して日本は非常に重要な役割を演じることになる。それは単に日本にある米軍基地を防衛するというだけでない。より広範な後方支援を含んでいる。紛争の今様の報道によって米軍事力が戦闘地域でいかに動員され、効果的に配備されるかという大掛かりな任務を、日本の一般大衆は垣間見てきた。米国は日本を広範な後方支援役として見ている。そのうえ日本の海と空は北は朝鮮半島、南は台湾に直結している。

日本は自らの主権を自らの目的のために主張できるようにしたいだろうし、他国の戦闘部隊が日本に近づかないという安全性を確保したいに違いない。米国も同じことを望んでいる。戦闘地域に物資、装備、人員を日本にある基地から動かせることができるからだ。それは日本にある基地をミサイルから防衛するよりもはるかに複雑だ。

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