シャンシャンに弟妹?上野「新パンダ舎」の底力

4年ぶりとなる子パンダ誕生の期待もかかる

新パンダ舎で柵越しにお見合い。雄のリーリー(左)が雌のシンシンを気にしている(写真:公益財団法人東京動物園協会提供)

32年ぶりに新設された東京・上野動物園のジャイアントパンダ舎で、パンダが初めて交尾した。新パンダ舎は、最大で6頭のパンダが暮らせるため、子どもがたくさん生まれても快適に過ごせそうだ――。

10年前に中国から来た雄のパンダのリーリー(力力)と雌のシンシン(真真)が新パンダ舎で交尾したのは3月6日。交尾は4年ぶりだ。4年前は、2月に交尾して、6月に娘のシャンシャン(香香)が生まれている。

パンダは群れをつくらず単独で生きる動物であるため、動物園のパンダも普段は1頭ずつ区切られたエリアで暮らす。ただし繁殖期は違う。発情したわずかな時間だけ、雄と雌を同居させて、交尾を試みる。

交尾の前、2頭は隣接する放飼場に移って「お見合い」をする。新パンダ舎では、2頭を隔てる柵の一部を格子状にして、互いの匂いがわかるようにしている。匂いは、パンダのコミュニケーションで、とても大切だ。職員はタイミングを見計らい、放飼場の扉を開けて2頭を同居させる。タイミングを間違えるとパンダがケンカして、その年の繁殖が絶望的になることもある。

新パンダ舎が寄与した可能性

上野動物園は3月4日、パンダに発情の兆候があらわれたため、同居の準備を始めたと発表した。お見合いはパンダの状態に合わせ、屋外放飼場も含むさまざまな場所で実施した。

はじめの頃は、リーリーがシンシンとの間を隔てる柵に体を寄せて、シンシンの様子を気にするものの、シンシンは興味がなさそうに離れた場所をうろうろしていた。だが、3月6日午後5時過ぎ、ついに2頭は交尾した。その後、別々の放飼場に移ったが、再び同居して交尾した。

同日夜に同居を終えて、2頭を別々の放飼場に移した後も、職員は2頭の様子を観察し続けた。しかし、シンシンのホルモン値や行動などから、今期の発情は収束に向かっていると判断。3月9日から通常の飼育管理に戻した。

同園が撮影した動画には、交尾の間、新パンダ舎のキャットウォーク(上部にある作業用の細い通路)から2頭の様子を観察する職員の姿が映っていた。2回目の交尾は夜中になったが、仮眠室やシャワー室といった職員用のスペースは、以前のパンダ舎に比べ、格段に広く綺麗になっている。監視カメラも多く、モニターで24時間管理できる。このような新パンダ舎の機能の充実ぶりも、交尾の実現に寄与したかもしれない。

産室は公道に近い場所にあるが、窓を二重サッシにするなどして配慮。パンダが安心して出産・子育てできる環境を整えている。

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