「歴史上の偉人」を例に説教しても響かない理由 虎の威を借る狐にならないためにどうすべきか
今回(2021年)のNHK大河ドラマ「青天を衝け」は日本の資本主義の父とも称され、今のみずほ銀行、東京海上日動、東京電力、東京ガス、王子製紙、大日本印刷、サッポロビール、帝国ホテル……と500社以上もの名だたる会社の設立に貢献した渋沢栄一が主人公です。
大河ドラマは人の一生を1つひとつ追っていくので、人事をなりわいとする自分としてはよく視聴しています。しかし、ここしばらくの大河ドラマの視聴者調査をみると、30代以下の視聴率は3%前後と低く、逆に50代、60代以上では20%前後と、観ている世代に大きな開きがある番組であることがわかります。
大企業の中間管理職がこぞって観ていそう
前回(2020年)の大河ドラマはメジャーな明智光秀(私は好きです)が主役だったこともあり、若手社員などに「昨日の大河のあのシーンは泣けたよね」「君ならどうする」などと、つい相手も観ていることを前提に話してしまったのですが、「すみません。観ていません」とそっけない返事をもらうことが多かったのです。
しかし今回の渋沢栄一は上述のように、多くの大企業が関係していることもあり、いろいろな会社の中間管理職の方々が「わが社の創設者の話だ!」と熱心に観ているのではないかと思います。
むしろ観ていないと、会長とか社長とかの「大河を必ず観ている」「観ていない人はおかしいと思っている」層と話が合わず困るかもしれません。
そのため、今年は、若者と中高年の間で、渋沢栄一を間に挟んで世代間ギャップが露呈しまくる年になるかもしれません。とくに、話の内容もビジネス界のことですから、朝礼とか1on1のミーティングなどでも渋沢栄一がよく出てくることでしょう。