「歴史上の偉人」を例に説教しても響かない理由 虎の威を借る狐にならないためにどうすべきか
要は、日本はもともとハイコンテクスト社会(共通の文化基盤が多い社会)でしたが、どんどんローコンテクスト社会(共通の文化基盤が少ない社会)になってきていることを深く理解すべきということです。
中高年は大河ドラマをよく観ていても、若者はあまり観ていないのです。大河ドラマは過去の偉人が主人公なので、「これぐらい知っているだろう」と思うかもしれませんが、知っている度合いが問題です。
渋沢栄一が日本資本主義の父だと知っていても、その生涯や思想までは知らないということです。もうみんなが同じTV番組を観ていて、翌日それが話題になるという時代はとうの昔に終わっているのです。
ファクトとロジックだけで話す
これから若者と話す際は(本当は若者だけに限らず同年代間でも)、過去の事例を持ってコミュニケーションを省略することをせず、普遍的な言葉や誰もが絶対に知っている事実だけを使って、きちんとしたロジックで話をしていくことが必要なのです。
今後は日本でも「あうんの呼吸」「以心伝心」は通じなくなりますし、テレワークで「空気を読む」ことも難しくなるわけですから、ファクトとロジックだけで、丁寧にきちんと説明する能力は誰にも必須なのです。
ちなみに、世界で最もローコンテクスト社会と言われるアメリカ人の書く本が分厚いのは、「大体わかるでしょ」がないからではないかと、私は思っています。
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