カルフール「旧中国法人」株式公開を検討する訳

8年ぶり黒字化も、親会社とのシナジー見えず

家楽福中国は蘇寧による買収後に赤字を脱したものの、先行きは楽観できない(写真は家楽福中国のウェブサイトより)

中国のスーパーマーケット大手、家楽福中国(カルフール・チャイナ)の田睿CEO(最高経営責任者)は3月19日、同社が株式公開を検討していることを明らかにした。

「まずは戦略的投資家を募る。株式公開の具体的な時期や上場先に関しては不確定な要素が多く、まだ決められる段階にない」。今後の見通しについて、田氏は財新記者の質問に応じてそう語った。

家楽福中国はもともと、世界第2位のスーパーマーケット・チェーンであるフランスのカルフールの中国法人だった。しかし1年半前の2019年6月、中国の小売り大手の蘇寧控股集団(スーニン)が傘下の蘇寧易購を通じて、発行済株式の80%を48億元(約802億5600万円)で買収した。

中国の小売業界では、この買収劇に対して驚きの声が上がった。当時の家楽福中国は売り上げが3年連続で10%以上減少し、2018年の損益は5億7800万元(約96億6400万円)の赤字というジリ貧状態に陥っていた。しかも蘇寧は家電量販店から発展した小売りグループであり、スーパー経営のノウハウが豊富とは言えなかったからだ。

物流システムはいまだに統合されず

家楽福中国の買収について、蘇寧は「日用品のネット販売のサプライチェーンを拡充するため」と説明していた。大型スーパーの売り場とネット販売を融合し、「ラストワンマイル」の配送を効率化するもくろみだ。

その後、家楽福中国の経営は短期間で赤字を脱し、2020年には税引き前利益ベースで8年ぶりの黒字を計上した。だが財新記者の取材に応じた同社の元幹部によれば、蘇寧とのシナジー効果は期待値に届いておらず、先行きは決して楽観できないという。

中国の電子商取引(EC)最大手の阿里巴巴(アリババ)は、2017年にスーパーマーケット大手の高鑫零售(サン・アート・リテール)に出資した後、自社のEC事業と高鑫零售のリアル店舗の連携・融合を強力に進めた。だが、蘇寧のEC事業はアリババと比べて実力不足が否めない。「家楽福中国と蘇寧の物流システムはいまだに統合されていない」と、前出の元幹部は指摘する。

本記事は「財新」の提供記事です

しかも親会社の蘇寧は目下、深刻な債務危機に直面している。家楽福中国は蘇寧に頼った経営改革の推進は困難だろう。

同社の田CEOは、将来の上場を実現するために「社外の専門人材を積極的に採用し、より多くの戦略的パートナーと協業関係を築かなければならない」と語った。

(財新記者:沈欣悦)
※原文の配信は3月20日

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