“港町”の食文化に新風吹き込むか--「ミシュランガイド」新版に神戸が加わる《NEWS@もっと!関西》
仏ミシュランは4月21日、厳選したレストランとホテルを紹介する「ミシュランガイド京都・大阪・神戸2011」を今年10月に発行すると発表した。同社は「ミシュランガイド東京」(2007年11月発売)に続き、昨年10月に「京都・大阪2010」を刊行。今回公表した新版は、日本における同シリーズの第3弾となる。
21日の発表会見の席上、日本ミシュランタイヤのベルナール・デルマス社長は、「昨年初めて発売し、ご好評をいただいた京都・大阪版に、今年は神戸を加えた新版を発行することになり、非常にうれしく思います」と語った。
ミシュランガイド総責任者のジャン=リュック・ナレ氏はアイスランドの火山噴火の影響で会見には出席できなかったが、「神戸は関西の主要都市の1つであり、国際色豊かで多彩な食文化が育まれている街の1つです」と、コメントを寄せた。
世界的なタイヤメーカーであるミシュランが、ドライバーが安全・快適に旅をするための情報提供を目的とするミシュランガイドを発行したのは1900年のこと。調査員による独自のレポートをもとに、レストランの調理技術の高さなどを星の数で評価するのが特徴だ。これまで100カ国以上で販売され、年間120万部(09年)、累計で約3000万部の販売を誇る。
「ミシュランガイド東京」08年版は、発売と同時に書店の店頭から姿を消すほど売れまくり、東京のレストランなどに多大な影響を与えた。08年版は30万部、続く09年版は20~25万部の販売実績を上げている。
「京都・大阪2010」は、日本人調査員7人が1人年間500店=500食の試食を繰り返して掲載店を厳選したといい、18万部(日本語版15万部、英語版3万部、いずれも発行部数)と健闘した。
「京都・大阪2010」刊行に際しては、発売前は取材拒否を表明する京都在住のレストランがあるなど、「閉鎖的な京都では、作り手側から有益な情報提供がなされないのでは」との懸念する声もあった。