和歌山「赤ちゃんパンダ誕生」5つの異例な事情 コロナ禍でさまざまな困難が立ちはだかった
5つ目は、一般公開に「抽選」を導入したことだ。これまでに同園で生まれたパンダは生後2週間から1カ月ほどで公開されていたが、楓浜はコロナ禍により、生後3カ月をすぎての公開となった。
さらに、密を避けるために初めて抽選を行い、楓浜と良浜の母子を観覧できる人数を1日約1000人に制限した。観覧時間は1人4分だ。当選するのはなかなか難しく、SNSには落選を残念がる投稿が相次いでいる。
3月12日~19日には先着順の当日券も発行された。公開して最初の日曜日となった3月14日は、筆者が午前8時半に着くと、当日券を求めてなのか、午前10時の開園にもかかわらず30人ほどが入口に並んでいた。
しかし、3月20日以降は、来場者の安全などを考慮して当日券を中止。現在は、事前にウェブサイトで申し込んで、抽選に当たった人だけが観覧できる(今後、観覧の方法や人数は変わる可能性がある)。
給餌器で野生の行動に近づける
楓浜はまだ幼いので、外見の目立った特徴はまだ表れていないが、目の周りの黒い模様の一部が飛び出たように長い点は目を引く。まるで長いまつ毛のようで、とても愛らしい。かかとは白い。アドベンチャーワールドによると、これは親からの遺伝が大きく、中国でもかかとの白いパンダの子どもは、かかとが白いことが多い。永明と良浜のかかとも白い。
もう1つ、アドベンチャーワールドで生まれたパンダの特徴として多いのは、足の長さだ。楓浜と最も年齢が近い姉の彩浜も足が長い。永明はとても足が長く、良浜も短くはないので、双方の遺伝らしい。飼育スタッフによると、楓浜は足が長いかどうか、まだわからない。もう少し成長するとわかるそうだ。
どんな遊具を与えるかは、基本的に成長に応じて変わる。現在、楓浜が遊んでいるのは、スタッフが手作りした木製のもの。筆者が3月に見ていると、楓浜はこの遊具を前足でそっとさわり、転がしていた。
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