広島カープ「チケット争奪戦」今年は異変のワケ 「転売ヤー」対策の処方箋ようやく見えてきたか
3月26日、プロ野球の公式戦が開幕した。例年、1月下旬にチケットの発売スケジュールが公表され、2月下旬から販売が開始されるのだが、今シーズンは新型コロナ禍の影響で、販売スケジュールの告知が3月にずれ込んだ球団が12球団中7球団に上った。
2月中に告知した5球団も、当初は5000枚を発売し、自治体からの制限要請が緩和されると1万枚まで追加販売するなど、状況の変化とともに販売スケジュールを何度も見直している。
売りに出すカードも小刻みで、発売日の直前にならないと告知しないなど、異常な状態が続いている。中でも読売巨人軍は3月10日にシーズンシートチケットのみ観戦有効とし、一般指定席券の販売を当面見送ることを告知。
12球団中唯一、ファンクラブ会員すらチケットが買えない状態が続いていたが、3月26日から4月15日までの9試合分のチケットを、3月23日から順次先行販売することを前日の3月22日になってようやく告知した。
プロ野球のチケット売り出し時期は、コロナ前までは12球団中10球団がゲーム開催日前月の初旬。広島東洋カープと阪神タイガースだけが他の10球団とは異なり、開幕前にそのシーズンの全試合分を一気に売り出す方法を採ってきた。
今シーズンはタイガースが全試合分の一挙発売をとりやめる中、カープは3月9日、例年どおりシーズン全試合分のチケットを売り出した。
恒例化している3月1日の大騒動
カープは毎年3月1日にシーズン全試合分のチケットを球場窓口で発売し、窓口販売で余った分を、翌日からインターネット販売も始める方法を採っているが、ここ数年は毎年大騒ぎになっていることは読者諸氏もご存じかもしれない。
そもそもシーズンシートオーナーとファンクラブ会員への優先販売に批判がある。シーズンシートオーナーにもファンクラブ会員にも定員があるうえ、シーズンごとの入れ替えがない。欠員が出なければファンクラブ会員にすらなれないのだ。
言わば特権階級たるシーズンシートオーナーやファンクラブ会員に優先販売した残りしか、一般販売には回ってこない。当然「特権階級が優遇されすぎ」という不満が出る。
そのうえ、カープは1人が1回に買えるチケット枚数が事実上青天井で、カープの販売方式はいわゆる“転売ヤー”を呼び込んでいるとする批判も絶えないのだ。
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