広島カープ「チケット争奪戦」今年は異変のワケ 「転売ヤー」対策の処方箋ようやく見えてきたか
かつては1回に買える試合数も、枚数も無制限だったが、近年は買える試合数を限定するなどの制限は徐々に加えてきてはいる。
とはいえ、今年も1人が一度に買える試合数は最大6試合としたものの、1試合あたりの枚数は最大50枚と、事実上青天井に等しい。最上級のファンクラブ会員でもせいぜい10枚程度しか買えない他球団とは大きく異なる。
カープは人気がなく球場に閑古鳥が鳴いていた時代が長かった。その時代に町内会や会社単位でチケットを大量に買ってくれたファンへの恩があるから、1人が何試合分でも、何枚でも買えるようにしておくのだというのが、球団側の基本方針なのだが、そういう売り方が“転売ヤー”にとって好都合であることも事実だ。
2019年には、窓口販売の順番を決める整理券をもらうための抽選券を求め、5万人もの人がマツダスタジアムに押し寄せ、球場周辺の交通機関がマヒするなど大混乱に陥った。
発売4時間後でも残席あり
昨年は4万6000枚の抽選券を配布し、抽選で当選した1200人に整理券を配布。3月1日はパンチカーペットを2メートル間隔で順路に貼ってソーシャルディスタンスを確保。警備員も大量に動員して窓口販売を実施したが、この日に売ったチケットは後日すべて払い戻しになった。
今年の発売日は例年よりも8日遅い3月9日。さすがに球場での窓口販売は取り止め、インターネット販売のみに切り替えた。
球場窓口販売を止めれば、球場及び球場周辺に多くの人が押し寄せるということは回避できる。それでも、球場に並ばなくて済む分、転売ヤーにとっては好都合だろう。
例年の混乱ぶりからすると、午前8時の受付開始からアクセスが集中してサーバーがダウンし、回線がつながった時には1年分のチケットはすべて完売だったということになるのではないかと筆者は考えていた。
実際、発売から2~
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