その男、凶暴につき ヤバイ日本建設大綱<中> 猪子寿之・チームラボ社長に聞く
「何かやらないと、(電波に)怒られる。ボク頑張っているから、怒らないで、みたいな」。
ネット時代の競争力の源泉は、テクノロジー、クリエーティビティの二つにあると思い至った。この二つを体現し、推進する企業を創業しよう。
が、独りぼっちの起業は問題外だった。「ボクにとって、起業は夢ではなく、電波に命じられた義務。目的が義務なら、プロセスは楽しいほうがいい。仲のいいヤツと一緒にやれたら、いちばん楽しい。目的もプロセスも楽しくなかったら、人生、終わってるじゃないですか」。
チームラボの5人の役員は全員が東大・東工大卒(2人が修士修了、2人が同中退)。一刻も早く起業したかったが、モラトリアムの学生時代、仲間は誘いに乗ってこない。
卒業間近、“迷い”が生じたところにつけ込んだ。「会社に入ったら、一生、サラリーマンだよ。一緒に起業して、青春を続けようよ」。
創業第1号の作品、リコメンデーション(履歴解析・推奨)・エンジンはまったく売れなかった。着眼が早すぎた。食えなければ、会社は解散し、青春は終わる。やむなく、風俗店のサイトの制作を引き受けた。
仲間たちのブーイングで我に返った。「オッパイの修正なんかしている場合か。お前、言ってることと、やってることが違うだろう」。
■[下]に続く
=敬称略=
(撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2010年4月10日号)
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