惜しい!「伝え方が残念」で人生損する人の盲点 せっかくの「中身」を活かす人、潰す人の微差
受け取るイメージのギャップの問題も、自分の話に耳を傾ける相手のモチベーションの問題も、広告などのマスコミュニケーションに限った問題ではまったくありません。面接やそれに先立つ書類選考をはじめ、上司や顧客への企画の提案など、あらゆる場面で発生するものです。
であれば、広告の世界で発展してきた「どう伝えるか」の真髄を、そこに応用しない手はありません。
「私には夢がある」が動かした世界
1963年8月28日、マーティン・ルーサー・キング牧師は、アメリカの首都ワシントンDCで、25万人のデモ参加者を前に有名な「私には夢がある」演説を行いました。1964年の「公民権法」策定に大きな影響を与え、アメリカの、いや世界の歴史を動かしたこの名演説には、「どう伝えるか」の工夫が詰まっています。
キング牧師は、「有色人種に対する人種差別の撤廃を訴える」というWhat to sayを、このようなHow to sayで伝えました。
もしこの演説が、牧師のWhat to sayをそのまま表現しただけのものだったらどうでしょう。世界は今とは少し別のものになっていたかもしれません。このように、「どう伝えるか」には、時に「歴史を動かす力」すら宿るのです。「人生を変える力」は言うまでもありません。
「どう伝えるか」の巧者になるのは、もちろん簡単なことではありません。それが簡単にできたら、誰もがオバマ元大統領やキング牧師のような歴史の変革者になれますし、広告のクリエーターたちの仕事はなくなってしまいます。
ただ、その技術はすぐには体得できなくても、彼女たち/彼らの心がけを盗むことはできます。「何を伝えるか」を考えたら、それと同じくらいの時間と情熱をかけて、それを「どう伝えるか」を考える、という心がけです。
広告はお客様へのラブレターだ、と言う名経営者がいます。まさに慧眼です。面接でも、企画の提案でも、営業でも、すべてのビジネスコミュニケーションは「ラブレター」であると考えるべきです。
初めてした「愛の告白」を、ここでもう一度思い出してみてください。相手とSNSでつながっていれば、その人のプロフィールに訪れてみるのもいいかもしれません。そのとき、自分の気持ちを「どう伝えるか」に、どれだけの時間をかけて思い悩んだでしょうか?
来週の会議で、自分の企画を「どう伝えるか」。「愛の告白」のときと同じくらいの時間と情熱をかけて、これからそれをじっくりと掘り下げてみてはいかがしょうか。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら