感染症はなぜ広がる?人類悩ます「残念な真実」 新しく出現した感染症の6割は動物由来
ペットから人へうつる病気もある
人類は、1万年にわたって家畜と密接な関係を持ち続けてきたことで、ヒトは犬と65種類、牛と55種類、羊と46種類、豚と42種類、ヒトの感染症を共有しています。複数の宿主に感染するものも少なくありません。
アメリカの進化生物学者ジャレド・ダイアモンドは著書『銃・病原菌・鉄』の中で、「家畜は病気の温床であり、食物生産が感染症を生んだ」と記しています。牛からはハシカや天然痘、豚からは百日咳やE型肝炎、カモ類からはインフルエンザなどを感染しました。
ペットから人へうつる病気もあります。犬からは狂犬病やエキノコックス症、猫からはトキソプラズマ、小鳥からは鳥クラミジア症(オウム病)などです。ただし、東京都が都内の小学校で飼われている小動物187頭を対象に9種の病原体を調べた結果、病原体は見つかりませんでした。
このほか、国内で感染拡大や侵入が心配される動物由来感染症には、狂犬病、野鳥から感染する西ナイル熱、エボラ出血熱などのウイルス性出血熱など数多くあります。
アフリカなどでは、食料にする野生動物(ブッシュミート)から人へという新たな感染が続いています。たとえばサルやコウモリ、ハクビシンなど、さまざまな動物が市場で売られています。
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