マスク時代の会話「目線の工夫」取り入れるコツ

池上彰×佐藤優が語る「伝え方の極意」

池上彰さん、佐藤勝さんが語る「ニューノーマル時代の伝え方の極意」とは?
コロナ禍により、対人関係が距離感を前提としたものに変わりつつあります。日本ではリモートワークが急速に普及し、仕事上の打ち合わせや取材などもZoomなどリモートツールで行われるようになってきています。表情の作り方、ジェスチャーや相槌、声色など、リモートでのコミュニケーションの勘所は、リアルでのコミュニケーションとは一味違うといいます。
これからの時代のビジネスパーソンは、どのような点に留意して「伝える」べきでしょうか。「ニューノーマル時代の伝え方の極意」について、極めて今日的なリモートワークでの伝え方をはじめ、雑談、プレゼン、メール、交渉など、あらゆる場面に役立つノウハウを網羅した新刊『伝え方の作法』の著者である池上彰氏、佐藤優氏に話を聞きました。

人との距離感が変わってきた

池上:新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、私たちのコミュニケーションのかたちも変化しています。一言で表すならば、変化しているのは「人との距離感」でしょう。

「距離感」はつねに人間関係の一大テーマとして扱われてきましたが、それはどちらかというと精神面、いわば「観念的な距離感」でした。しかし今、私たちが直面しているのは、より「身体的、物理的な距離感」の変化です。

佐藤:その通りです。「身体的、物質的距離感」を前提としたニューノーマル時代、対人関係において、いかに自分の伝えたいことを伝え、あるいは自分が知りたいことを相手から引き出すか。また、人とどのように接したら一目置いてもらうことができるのか。仕事において、これからの時代必須のコミュニケーションの技法について、これから語っていきたいと思います。

池上:佐藤さんは外交官、そして現在は作家として、一方で私はジャーナリストとして、日々さまざまな人と接しています。お互いに異なる立場で確立してきた伝え方の作法について語り合うことで、この記事の読者が新しい時代によりよい人間関係を築く一助となればよいですね。

佐藤:はい。まず触れたいのは、今、急激に変化しつつあるコミュニケーションのかたちについてです。新型コロナウイルス(COVID-19)によって引き起こされたパンデミックの影響で、今までの当たり前が当たり前でなくなってきている。劇的な変化は対人関係についても生じています。たとえば、誰もがマスクをしているなか、会話の内容以前の「アイコンタクト」の重要性が増していますね。

池上:マスクをしていると口元が見えない。となると、人と話すとき、何によって相手の感情や思考を推し量るかといえば「目」しかありませんからね。

佐藤:はい。そのせいだと思いますが、2020年の夏は街中でサングラスをしている人をほとんど見かけませんでした。マスクをしたうえにサングラスをしたら、まったく表情が見えなくなってしまう。まるで昔の過激派のようになってしまいます。

池上:私も以前は外出時にサングラスをかけていましたが、最近ではマスクをしなくてはいけないのでサングラスはかけません。これは余談ですけど、最近、一般の方から声をかけられることが多くなりましたよ。

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