そんな中で、台湾籍の外国人選手6人(外国人枠を外れた選手2人も含む)は、すでに合流している。台湾は世界でも数少ない新型コロナの封じ込めに成功した地域だとされるが、それを反映しているといえよう。
球団は、春季キャンプ中の選手の「外食禁止」を通達している。沖縄キャンプでは「夜の会食」は選手にとって大きな楽しみだったが、夜間は原則としてホテルから出ることができない。選手たちは1カ月近くもホテルに缶詰めになるのだ。選手にはこれも大きなストレスだろう。
「若い選手はもともとあまり出歩かない。ゲームなんかで時間をつぶす選手も多いから、あまり心配していない。それよりベテランだ。那覇市内になじみの店がある選手も多い。彼らのほうが心配だ」と、ある球団のコーチは語った。
筆者がアマチュア時代から知っているある新人選手は、「キャンプに行ったら、ファンにも囲まれるし、報道陣にも話を聞かれるから、それで浮ついたら駄目だ、と先輩からアドバイスされましたが、何にもなくて練習だけしているので、実感が湧きません」と話した。
無観客になり幅広い業種に影響
沖縄県のプロ野球春季キャンプを受け入れる沖縄県文化観光スポーツ部スポーツ振興課によると、新型コロナ禍の今季、NPB各球団も受け入れる自治体も「例年通り実施できるか、双方ともに不安を持っていた」という。
そんな中でも県は、受入市町村自治体の意向を確認し、感染症対策に万全を期すため「コロナ禍におけるプロ野球沖縄キャンプ受入指針(12/16)」を定め準備を進めた。
さらに、感染拡大が進むなか、国や県独自の緊急事態宣言が発出される状況を踏まえ、NPBや巨人軍から提案された検査スキームが沖縄県の保健医療機関と連携して機能するよう、県保健医療部や県各地区医師会の協力を求め、万が一、感染者が出た場合においてもクラスターの発生を封じ込めるための態勢構築に努めた。
しかし緊急事態宣言の発出によって、春季キャンプはすべて無観客になった。同課の担当者は「出店を予定していた地元事業者は、キャンプイン直前で無観客の実施となったことで、準備に要した経費や多くの来客を見込んでいた収益がすべてなくなるなど非常に大きな影響を受けました。さらに、プロ野球キャンプの観覧を目的とした観光客の渡航自粛に伴う宿泊施設のキャンセルのほか、飲食店、公共交通機関、レンタカー事業者、食品関連事業者等、幅広い業種で、影響がありました」と語る。
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