「説明が伝わらない人」に共通する話し方の癖

聞き手に伝わる説明ができる3つのステップ

「このままでは、提案がずっと通らないかもしれない……」。こんな危機感から、専門外や業界外の人にも専門用語や業界用語ができるだけ簡潔にわかりやすく伝わる説明法を、予備校講師時代の説明ノウハウをベースに考えました。そして、いろいろと試してみた結果、効果的な説明のフレームワーク(型)を見出したのです。

そのフレームワーク(型)が以下となります。

 ステップ1 大枠を見せる(Outline)
 ステップ2 つなげる(Link)
 ステップ3  具体化、事例を示す(Embodiment、Example)

このステップを踏むことで、専門用語や業界用語を簡潔にわかりやすく説明できるようになり、プレゼンや会議などで提案を通しやすくなるのです。各ステップを英訳したアルファベットの頭文字を抜き出して「OLE(オレ)法」と呼ぶことにします。

普段使わない人にもイメージがわくように

このOLE法を使って、前述した「DX」という用語を例に説明してみます。

DXとはデジタル・トランスフォーメーションの略称で、デジタル技術の浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変革させるという考え方です。英語圏では〝Trans〞を〝X〞と略すのが一般的なのでDXと表記します。
このDXを推し進める理由として、デジタル市場の拡大に伴い蓄積している膨大なデータの未活用、さらにテクノロジーの急発展に伴うIT人材の不足などが挙げられます。 例えば、日本交通は、過去の乗車履歴に加え、現在開催しているイベントの情報や気象情報、鉄道の遅延情報などのデータを人工知能が分析し、需要が多い場所を予測する「AIタクシー(R)」を導入したことで、タクシーの稼働率が大幅に高まりました。

すでにDXを知っている方にとっては当たり前の内容に聞こえるかもしれませんが、DXという用語を普段使わない方にとっては、少しはイメージがわくのではないでしょうか? それでは、具体例を交えながら各ステップを簡潔に説明していきます。

ステップ1

まず用語の大枠を見せます。大枠というのは、概要や結論部分を指しますが、用語の説明の場合は、その用語の「定義」になります。 私の場合、定義はできるだけ辞書を引くようにしていますし、辞書に載っていない造語のようなものは、大元をたどり、その用語を作った人が提示している定義を最優先して使うようにしています。

また、英語の略式表記やカタカナ表記の用語などを説明する場合は、まず日本語訳を示したほうが良いでしょう。例えば、先の「DX」という用語を説明するときには、次のような説明をします。

次ページ用語を定義する際に気をつけたいこと
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