「説明が伝わらない人」に共通する話し方の癖 聞き手に伝わる説明ができる3つのステップ

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例えば、先の「DX」の説明では、「なぜ日本交通がAIタクシー(R)を始めたのか」「イベント情報をどのように入手しているのか」「気象情報をどうやって配車に活用しているのか 」といった詳細を伝えることに説明の時間を割いてしまうと、聞き手の頭の中では「日本交通のAIタクシー(R)」 のようなテーマで理解してしまいます。

そのため、AIタクシー(R)のケース1つを詳細に語るよりも、医療や農業、物流など、聞き手がイメージしやすい具体例を追加で挙げたほうが聞き手の理解を促すことができます。

いきなり具体例から入る説明も有効

最後に、少し高度なテクニックをお伝えします。それは、ステップ1、2を飛ばしていきなり具体例から入るという説明です。例えば、「DX」を説明するときに、次のような具体例から入ります。

「DX」を活用例としては、日本交通では、過去の乗車履歴に加え、現在開催しているイベントの情報や気象情報、鉄道の遅延情報などのデータを人工知能が分析し、需要が多い場所を予測する「AIタクシー(R)」を導入しており、タクシーの稼働率が大幅に高まりました。

このような説明でも、聞き手の頭の中に絵が浮かびやすくなり、理解する速度は高まります。説明にかかる時間もコンパクトにすることが可能です。

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ただし、この説明で気をつけなければならないことが1つあります。 それは、このショートカットした説明は、聞き手の抽象化する能力に依存してしまうことです。聞き手が具体例を抽象化することかができなかった場合、その場かぎりの理解になってしまう可能性が出てしまいます。

先の「DX」の具体例から入った説明では、AIタクシー(R)のケースでは理解できたけれど、それ以外の、例えば医療や農業、物流のケースに当てはめて考えることが聞き手一人ではできないといったことです。

このような場合には、その都度、説明をしなければならなかったり、改めて前に戻って定義を伝えなければならなかったりします。そうなると、結果的に非効率な説明になってしまうでしょう。

具体例から入る説明は、短くはなるのですが、ハイリスク・ハイリターンのため、聞き手がすでに定義を知っていたり、聞き手の抽象化スキルが高かったりする場合にのみ使用することをお勧めします。 今回お話ししたOLE法を、ぜひ試してみてください。

犬塚 壮志 教育コンテンツプロデューサー/株式会社士教育代表取締役

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いぬつか まさし / Masashi Inutsuka

福岡県久留米市生まれ。大学在学中から受験指導に従事。業界最難関といわれる駿台予備学校の採用試験に当時最年少の25才で合格し、開発したオリジナル講座は開講初年度で申込当日に即日満員御礼、キャンセル待ちの大盛況。3,000人以上を動員する超人気講座となり、季節講習会の化学受講者数は予備校業界で日本一(映像講義除く)。年間1,500時間以上の講義を行う中で、多種多様な説明パターンを身につけ、「大人の学び方改革」を目的に駿台予備学校を退職。講座開発コンサルティング・教材作成サポート・講師養成・営業代行をワンオペで請け負う「士教育」を経営。ありとあらゆるシチュエーションに必要な説明スキルを磨き上げる。

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