中国のインターネット検索最大手の百度(バイドゥ)は2月17日、2020年の10~12月期および通期の決算報告を発表した。
それによれば、10~12月期の売上高は前年同期比5%増の302億6000万元(約4963億円)、非アメリカ会計基準(Non-GAAP)ベースの純利益は同25%減の69億元(約1132億円)。通期の売上高は前年と同水準の1071億元(約1兆7560億円)、Non-GAAPベースの純利益は前年比21%増の220億元(約3608億円)だった。
2020年10~12月期の業績は市場の期待値を上回った。アナリストの予想売上高の平均値は301億元(約4936億円)だったが、実績はわずかながらそれを超えた。2020年は新型コロナウイルスの影響により、1~3月および4~6月期の売上高が前年同期比マイナス、7~9月期は同0.54%の微増にとどまっていたのと比べると、10~12月期は改善がより鮮明になった。
ADS(米国預託株式)の1単位当たり純利益も3.08ドル(約326円)と、アナリスト予想の平均値の2.79ドル(約295円)を同じく上回った。百度の業績は新型コロナの影響を脱して回復軌道に乗ったと言えそうだ。
非広告事業は前年同期比19%の伸び
百度の売上高の7割近くを占める広告事業の売上高は、2020年10~12月期は前年同期比2.5%増の207億元(約3395億円)を記録。微増ではあるものの、コロナ後の初の増収となった。
一方、非広告事業の10~12月期の売上高は95億元(約1558億円)と前年同期比19%増加。2020年の四半期毎の成長率では最大だった。その中で注目されるのが、連結子会社で動画配信大手の愛奇芸(iQIYI)、クラウドサービス、自動運転技術などの新規事業群だ。
愛奇芸の10~12月期の売上高は75億元(約1230億円)と、百度の連結売上高の4分の1近くを稼ぎ出した。損益はまだ黒字化しておらず15億4800万元(約254億円)の純損失を計上したが、赤字額は前年同期より38%縮小した。
クラウドサービスに関しては、百度は今回初めてその売上高を開示した。10~12月期は主にAI(人工知能)ソリューション業務の拡大が貢献し、クラウドサービスの売上高の伸び率は前年同期比67%の大幅増を記録。通年換算の売上高は130億元(約2132億円)に達した。
自動運転技術の分野では、百度は自社技術を搭載したEV(電気自動車)の生産計画を推進している。今年1月、中堅自動車メーカーの吉利汽車(ジーリー)の親会社と共同でEVの生産会社を設立。自動車産業に「完成車メーカー」として参入することを目指している。
(財新記者:何書静)
※原文の配信は2月18日
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