あのドラッカー絶賛「渋沢栄一」が凄い真の理由 ロスチャイルドやロックフェラーを凌ぐと評価

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ドラッカーは、第1次世界大戦と第2次世界大戦を目の当たりにしている世代である。オーストリアの貿易省事務次官の息子だったドラッカーは、第1次世界大戦後で職の見つからないオーストリアを離れ、職を転々とする。第2次世界大戦でヒトラーが実権を握ると、ヨーロッパ大陸を離れ、イギリスに移り、その後アメリカに移った。

ドラッカーはユダヤ系オーストリア人である。第2次世界大戦後、ヒトラーやスターリンが行った残虐な行為が明らかにされるにつけ、それは「私の想像をはるかに超える悪辣さだった。そして、そのあまりのことに私は人間に絶望した」(『断絶の時代』)とドラッカーは述べている。

人間存在に根ざした強い思いがあった

読者のみなさんも想像してみていただきたい。1人の独裁者のために、家族と別れ、母国を離れ、いろんな国を転々としなければならなかったことを。そして、たくさんのユダヤ人の同胞が虐殺された事実を知ったドラッカーの心情を。

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ドラッカーのマネジメント研究の奥底には、人間への絶望、独裁に対する憤り、不条理に対するやり場のない感情があったことは間違いない。

渋沢栄一とドラッカーの強い想いを、志とか使命感とかといった言葉にするのは軽すぎるような気がする。人はだれも口には出さない、さまざまなものを抱えて生きている。

彼らの強い想いは、彼らのそれぞれの憤りや絶望といった人間存在に根ざしたものだったのだ。

そのような人間存在に根ざした強い想いが、その人を持続的な行動に向かわせ、成果につなげさせるのだ。強い想いがないところで人は何も生みだせないと思う。

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