渋沢栄一が新1万円札の「顔」になる重要な意味 キャッシュレス時代だからこそ考えてほしい
渋沢栄一が新1万円札の肖像になる「偶然と必然」
渋沢栄一は私の高祖父、つまり「ひいひいじいさん」にあたります。私から見て4代遡ることになりますから当然、私自身は本人を直接知っているわけではありません。でも、彼が残した言葉は当時だけでなく現代、あるいは未来にも通じるものであると信じています。
新紙幣が流通する2024年は、恐らく今以上にキャッシュレス化が進んでいるでしょう。
新紙幣の話が決定してからは、「これからの時代に果たして紙幣は必要なのか」という意見も聞こえてきます。
確かに、お金の役割が、モノやサービスを購入するための交換手段だけであれば、キャッシュレスでも問題ありません。しかし、ある時代の人間の肖像をお札に載せるのは、そこに何かメッセージ(意味)があるからだと考えます。
では、渋沢栄一を新しい1万円札の肖像にすることに、どのようなメッセージ性があるのでしょうか。
彼は「日本資本主義の父」と言われるように経済人でした。過去、日本の紙幣で経済人が肖像に用いられたことは、私が記憶している限り、1人もいなかったと思います。
その生涯を通じて500社近い会社の立ち上げに関与しましたが、一大財閥をつくることはしませんでした。その時代に必要とされているモノ・サービスを社会に提供すべく、次から次へと起業していったのです。つまり、今で言うところの「シリアル・アントレプレナー」(連続起業家)です。
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