あなたにも出来る! 社労士合格体験記(第1回)--突然の「早期希望退職」が人生の転機に
7月11日の午後3時、私は富山県伏木港に停泊している大型ロシア船ミハイルショロコフ号に乗り込みました。
ほとんどの店が閉まっているさびしげな田舎町に、突如黒船のように現れた船。ナンバープレートが外された無数の中古車をクレーンが吊り上げ、船に積み上げていきます。甲板には「所狭し」と車が並べられ、水を抜いたプールの中にも車が積み込まれています。出発前から目の当たりにする異様な光景に気分が高揚してくるのを感じました。
これからまる2日かけてウラジオストクまでの船旅です。休みは有休消化ですのでまだ会社に在籍中ですが、実質この日が私の再スタートといえます。
その後、念願のシベリア鉄道でロシアを横断し、バルト3国、旧東欧の国々を回って、8月26日トルコから帰国したときには、旅の達成感と疲れも手伝って躁状態。「東京って何だか暗い街だな」と違和感を覚えました。
旅の1カ月半は見るものすべてが新鮮で、すばらしい出会いにも恵まれ、再出発への良いリセットができたのかも知れません。
帰国後の手続きと現実問題
帰国後は退職の手続きが待っていました。その時は漫然と手続きをこなしていましたが、実はこの退職時というのは、社労士(社会保険労務士)の実務や勉強において、いろいろな要素が凝縮されている大切な時期です。
会社を辞めるとなると、保険や年金をどうするかということを自分で選択しなければなりません。健康保険や年金など、今まで会社が半分負担していた部分もすべて自己負担になるのはもちろん、今まで負担のなかった専業主婦の奥さんの分も別途負担が課されます。